気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

富士山の「五合目」ってのはどこにある?

最近また「富士山五合目」という言葉をよく聞く。よく聞くけど「合目」という言葉の正確な意味を知らないことに気づいた。「五合目」を辞書で引いてみた。

ところが「五合目」はほとんど立項されていない。見てみた中では、『デジタル大辞泉』に落語の「富士詣り」のことを「五合目」と呼ぶこともあるよと記述があるのみ。

富士山一周 絶景自転車旅マップ 自転車生活ブックス11 (じてんしゃといっしょにくらす自転車生活ブックス)

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なるほど。では「合」で引くべきなのだろうと見てみると、やはりこちらにあった。『広辞苑』第六版はこんな感じ(関連部分のみ)。

登山の路程などを10分したその1。「5—目」

他の辞書も多く『広辞苑』風に記述している。ただ、この定義は正しくないらしいのだ。意外にも(?)、小型辞典の『新明解』第七版が頑張っている。

〔山の高さで〕麓から、十分の一ほど登った高さであることを示す。〔ただし、麓の方の一合は頂上付近の一合より距離が長い。〕

つまり山道の険しさも考慮に入れて「一合」を決める様子。

大辞林』第二版がベストか。こちらも関連部分のみ引いておく。

登山路の概略を示す単位。頂上までを険阻の度を目安として10合に分ける。

「険阻の度」を考慮に入れていることをはっきりと示している。

この『大辞林』、なぜか周囲であまり目にしないんだけど、読み物としてとても面白そうな辞書だと思う。そのうちに時間をとっていろいろと眺めてみたい辞書のひとつ。

と、言いつつ、うちにあるのは最新版のひとつ前なんだけど^^

大辞林 第三版

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