気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

フィーチャーホンの復権、あるいはPDAの逆襲?!

最近の電話のことを「スマートホン」と呼び(それにしても「ホン」という言い方は気持ち悪い)、ちょっと前の電話のことは「フィーチャーホン」という。

両者にどんな「ホン」の違いがあるのか、『大辞泉』第二版に尋ねてみた。 

音声通話以外に、インターネット接続、スケジュール管理、メモ機能など、PDAと同等の機能をもつ多機能型携帯電話。スマホ。

なるほど。じゃあ「フィーチャーホン」はどうだ?

通話機能を中心に、インターネット接続、音楽再生、動画再生、GPS、デジタルカメラによる静止画・動画撮影、電子マネーなど、さまざまな機能を搭載する携帯電話の総称。一般に、PDAと同等の機能をもつスマートホンとは区別される。

やはりキーワードは「PDA」だ。「PDA」なんて言葉を聞くのは何年ぶりだろうかなあ。ぼくはPalmZaurusを何台か乗り換えて使っていた。

SHARP ザウルス SL-C1000

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「ベーシックホン」時代には、確かに「PDAブーム」があった。しかし「フィーチャーホン」が登場することで、「PDA」は駆逐されることとなってしまった。

すると。「PDAと同等」の機能を持つスマートホンも、まだまだ「フィーチャーホン」に逆襲の余地を残しているんだろうか。

情報メディア白書 2013

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ところで『新明解』第七版には「スマート」のサブ項目で「スマートフォン」が立項されている。

パソコンに準ずる機能を持った携帯電話。(以下略)

確かに「PDA」を出すより「パソコン」と比較する方がわかりやすいだろうな。『岩波国語辞典』第七版・新版には「スマートフォン」や「スマートホン」の立項がないが、「携帯電話」がなかなか面白い。

無線を用いた、持ち運びに便利な、ごく小さく軽い電話機。▷多く「ケータイ」「ケイタイ」と略記。次第に多機能になっている

何かと比較するのではなく、「次第に多機能」とするやり方がうまい。『明鏡』もまた、『岩波国語辞典』風のやり方で現状を突き抜けようとする。

小型で持ち運びができる無線電話。携帯。 ▷インターネットに接続し電子メールを送受信するなど、さまざまな機能を備える。

この両者のように、「携帯電話」にまとめ、「スマホ」と「ガラケー」の分類も、ある種「なかったこと」にしてしまうやり方はアリかもしれない。

情報通信白書 平成24年版 (2012)

情報通信白書 平成24年版 (2012)