気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

「かわいい」はもともと「かわゆい」だった。

「かわいい」は、元をたどれば「かわゆい」だった。「かわゆい」は決しておたく語(?)ではないのだ。

さらに「かわゆい」は「かわはゆし」という言葉が変化したものなのだそうだ。

「かわゆい」の語誌を『日本国語大辞典』で見る。

  1. …「~するに気がひける、恥ずかしい」など…意で用いられており、そこから「顔映ゆし」という語源が想定されている(「はゆし」は「面映ゆし」「目映ゆし」のそれと同じ)。
  2. 見るに忍びない」の意から気の毒、不憫という…意が生じ、中世の用例の大部分はこの意で用いられている。中世後半に至って、女・子供など弱者への憐みの気持から発した情愛の念を示す…意を派生させ、近世以降はこの意味が優勢となる。この間、語形は「かわゆい」の変化した「かわいい」が生じ、それに伴って漢語「可愛」との関連で「可愛い」という表記がみられるようになる。
  3. 近世後半では不憫の意は消失し、愛らしいの意のみとなり、さらに愛すべき小さい様という…属性形容詞の用法も出現する。

なんとなく「かわゆい」の方に「ふざけた」感じを受けてしまう。 

「かわいい」論 (ちくま新書)

「かわいい」論 (ちくま新書)

「かわいい」の語釈についてはわからないわけもなさそうなので省こうと思ってた。が、『新明解』第七版が、なんだか力が入っているようなので載せておこう。

  1. 親が我が子にいだく心情のように、どんなことがあっても無事に過ごせるように守ってやらなければならないという気持ちに駆られる様子だ。
  2. 無心に親に甘える子供のように、表情やちょっとしたしぐさなどにほほえましさを感じ、いつまでも見守っていたいといった感情をいだく様子だ。
  3. a.小さくて頼りない(弱弱しい)感じがするところに親しみやすさをいだかせる様子だ。 b.同種の他のものと比べて小さい意。

「かわいい」についてはいろいろと言いたいことがあるらしいことはよくわかった。