大分県に住んでいる頃、給食に大学芋が出たような記憶があるな。結構好きな食べ物だった。上野広小路のあたりには大学芋専門店のような店があったはず。わりとメジャーな食べ物だと思うんだけどどうだろう。
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そんな大学いも、辞書では意外に冷たい扱いだ。「大学」の下項目に追いやられているのは良いとして、『岩波国語辞典』第七版・新版では立項されていない様子。『三省堂国語辞典』第六版にも項目がない。ついでに『明鏡』にもない。
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ないものはないで仕方あるまい。辞書にはボリュームの制限もある。ただ、載っていないより悲しいこともある。斯界の権威、『日本国語大辞典』をみる。
「大学芋」で立項されているので、全文を引く。
切った薩摩芋を油で揚げ、甘いたれをからめて黒ごまを振りかけたもの。
以上。
これはちょっとさびしくないだろうか。「大学」なんて名前がついていて、いかにも曰くがありそうなのに、その辺にはノータッチ。
「いかにもな名前がついてるけど、本当はたいしたことのないやつなのでシカトする」と、そんな感じだ。
『大辞泉』第二版でも、そして『大辞林』第二版でも「大学」についての説明はない。
手元の辞書で「大学いも」の「だいがく」部分について説明を見つけたのは『広辞苑』第六版のみかな。
引いておく。
乱切りにしたサツマイモを油で揚げ、砂糖蜜をからめて炒りごまをまぶした食品。一説に、大正から昭和にかけて、学生街で好まれたことからの名。
多少投げやりな感じもするけれど、まあ他に比べれば、ね。
こういうときは権威から自由なインターネットだな。Wikipediaは詳しい。
食用サツマイモの生産量が日本一の茨城県などでは、ごはんのおかずの一品として大学芋を食べることもある。 / “大学芋 - Wikipedia” http://t.co/xpBDZ2UmZ6
— maeda hiroaki (@torisan3500) July 30, 2013
あ、間違えた。大事なのはここじゃない。長くなるけど引いておく。
大学芋という名は、大正時代に、東京の神田近辺の大学生が好んで食べていたため、ついたといわれる。また、昭和初期に東京大学の学生が学費を捻出するためにこれを作って売ったのが名前の由来だという説もあるが、大学芋のメーカーである台東氷業(東京都台東区雷門)の話では、東京大学の赤門の前に三河屋というふかしいも屋があり、大正初期に蜜にからめた芋を売ったのが大学生間での人気を呼びこの名がついたという。
そんなに古いものじゃなさそうだけれどよくわからない。なんとなく生まれて、なんとなく名前がついたものであるようだ。
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