本日の『大辞泉』編集部からのツイート。「デッドロック」について。
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まあよくある話ではある。
大辞泉編集部です。「交渉はデッドロックに乗り上げた」という言い回しは、日本人らしい勘違いから生まれた表現なのです!そのとんでもない勘違いとは?詳しくは、大辞泉FBページをご覧ください。 https://t.co/SHp4padOvv
— 大辞泉編集部 (@info_dai_jisen) August 6, 2013
ところで大辞泉編集部の言うこの「勘違い」。他の辞書ではどうなっているのかと、ちょっと見て回ってみた。
まず面白いのが『日本国語大辞典』だ(注:本稿でのお楽しみ(本題)は、すみません、記事最後の方にあります)。
(1)({英}deadlock )行き詰まり。膠着状態。特に、会議などが行き詰まり、解決がつかない状態をいう。停頓。
(2)((1)のlock (錠)をrock (岩)と混同してできた語)暗礁。
2番目の語釈で、「dead rock」を「誤り」とせず、新たに生まれた語であると定義しているのが面白い。
尚、大辞泉編集部のツイートを見てもわかるように、元は英語。『新英和大辞典』第六版の1番目には「(交渉などの)行き詰まり; 停頓」と記されている。
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OALDも見てみよう。
[sing., U] a complete failure to reach agreement or settle an argument
なるほど。ちなみに類義語には「stalemate」があがっている。
ところで。本題はこれからなのだ。「デッドロック」を和英辞典で見てみる。『プログレッシブ和英中辞典』第三版だ(最新版は第四版)。全文を引く。
〔行きづまり〕a deadlock
◾交渉はデッドロックに乗り上げた
The negotiations have 「come to [reached] a deadlock.
そう。スペルこそ「deadlock」であるものの、使い方は「dead rock」な使い方になっているのだった。
『日本国語大辞典』が言うように、「dead rock」的解釈も「新しい語」としてとらえることはできる。その解釈に則った説明であるとは言えるかもしれない。
こんど、ぜひ書店で第四版をチェックしてこようと思う。
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