「茶道」。これを「チャどう」と読むと、見たままに騙された間違った読み方のように感じないだろうか。教養の足りないぼくなどは、つい「ふふ」と笑いたくなってしまう。
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しかし歴史と伝統に則れば、むしろ「ちゃどう」が正しいようだ。
NHK放送文化研究所の「最近気になる放送用語」でも「どちらでも良い」とある。
「茶道」は「チャドー」と読んでも「サドー」と読んでも良いのです / “「茶道」の読み | ことば(放送用語) - 最近気になる放送用語 | NHK放送文化研究所” htn.to/CXvEBt
— maeda hiroakiさん (@torisan3500) 2013年4月30日
そうだったのか。十分に驚くんだが、辞書を見るともっと驚く。すなわち『広辞苑』第六版、『大辞泉』第二版、『三省堂国語辞典』第六版や『新潮現代国語辞典』など、多くの辞書で「サドウ」を引くと「チャドウ」を見ろと飛ばされるのだ。
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『岩波国語辞典』第七版・新版は、逆に「チャドウ」から「サドウ」に飛ぶようになっている。しかしそれでも「チャドウ」の方に「江戸時代までは『ちゃどう』が普通」と、わざわざ記述している。
「サドウ」を「チャドウ」に飛ばす『大辞泉』第二版の語釈を見てみる。
茶の湯によって精神を修養し礼法を究める道。鎌倉時代の禅寺での喫茶の儀礼を起源として、室町時代の村田珠光(むらたじゅこう)に始まり、武野紹鴎(たけのじょうおう)を経て千利休(せんのりきゅう)が大成、侘茶(わびちゃ)として広まった。利休後は表千家・裏千家・武者小路千家の三千家に分かれ、ほかに多くの分派がある。現在では、ふつう「さどう」という。
ふつうは「さどう」だとしながら、多くの辞書は「さどう」を空項目として「ちゃどう」に飛ばす。これは、もしかすると「さどう」の読み方は誤読から生じたことを意味するのかな。
いずれにせよ「チャドウ」という読みに接したときに「あれ、間違ってんじゃない?」などと思うぼくは、教養が足りていないわけだ。
普段から「チャドウ」と発音している人には全く何の意味もないエントリーで失礼いたしました。
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