「歴史秘話ヒストリア」の「明治の京都へおこしやす ~千年の都 復興ものがたり~」を見た。中で、京都から東京への首都移転は「遷都」ではなく「行幸」に名を借りて行われたと指摘。
京都の謎 (東京遷都その後) (祥伝社黄金文庫―日本史の旅)
- 作者: 高野澄
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2004/07
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (2件) を見る
まあ、そういう話はよく聞く話。実際上、首都が東京なのであれば、まあ「どうでも良い」話ではある。
ただ、「行幸」の意味を国語辞典で見てみたくなった。『岩波国語辞典』第七版・新版と『新明解』第七版、あるいは『三省堂国語辞典』第六版は全く同じ語釈。
天皇のお出まし。みゆき。
『広辞苑』第六版も同じような感じ。親切なのは『大辞泉』第二版かな。
天皇が外出すること。行く先が2か所以上にわたるときには巡幸という。みゆき。
なるほど。一か所を目指していく場合しか「行幸」と言わないわけか。
新・平家物語(四) 六波羅行幸の巻 (吉川英治歴史時代文庫)
- 作者: 吉川英治
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/09/28
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
ところで『日本国語大辞典』の語誌欄に変な記述がある。
(1)「幸」のみで「行幸」の意味がある。天子がお出ましになると、その地方の人々は食帛を賜い、爵祿を与えられ、田租を免じられるなどの僥倖を得るからという〔蔡邑‐独断〕。
ほんとかよ、それ。そう思っていろいろみると、『日本大百科全書』にも、ちょっと似た記述がある。
天子の行く所、万民が恩恵に浴するので「幸」というと古書にみえる。
これはまあいい。 確かに「幸」という文字は使いたくなるだろう。でも「僥倖だから行幸」って、それは本当かなあ? すごく疑問だ。
- 作者: 長谷川義史
- 出版社/メーカー: 理論社
- 発売日: 2009/12/25
- メディア: ハードカバー
- 購入: 9人 クリック: 86回
- この商品を含むブログ (11件) を見る
Wikipediaも見てみた。 「行幸にちなむ名称」という欄がある。
へえ。ずいぶんバタ臭い感じだけど、そうだったのか。知らなかった。
- 作者: 村松功
- 出版社/メーカー: ジェイティビィパブリッシング
- 発売日: 2012/03/30
- メディア: 単行本
- クリック: 3回
- この商品を含むブログを見る