Kindle版の『古事記物語』(鈴木三重吉)を読んだ。内容は現代語に訳され、そして歌謡は意味だけを記し、オリジナルの歌は載せていない。
- 作者: 鈴木三重吉
- 発売日: 2012/10/01
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「歌など翻訳出来るものではない」という態度は、確かに潔い。
なるほど、そういう出自の本であったか、『古事記物語』> “古事記を子供にもわかりやすいよう物語風に現代語化して『赤い鳥』に連載した「古事記物語」” / “鈴木三重吉 - Wikipedia” http://t.co/5RRC0EjudT
— maeda hiroaki (@torisan3500) September 22, 2013
現代語に訳されているとはいえ、大昔の本の内容だし、鈴木三重吉が1882年生まれ(1936年没)の人。いろいろと気になる言葉もあって面白い。
「児童文学」をつくった人たち〈6〉「赤い鳥」をつくった鈴木三重吉―創作と自己 鈴木三重吉 (ヒューマンブックス)
- 作者: 鈴木三重吉,小島政二郎
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たとえば「およる」。 なんだか「およよ」に似た言葉だ。わけがわからなくなってパニックになるの意味だろうか?
そんなわけはない。
「およる」は寝るの尊敬語 via 『古事記物語』 http://t.co/e8ea6Q4rH8 どうぞこの刀で、天皇がおよっていらっしゃるところを刺し殺しておくれ。
— maeda hiroaki (@torisan3500) September 22, 2013
小型辞典では見当たらないことが多いが、中型辞書ならだいたい載っているようだ。『広辞苑』第六版を見る。
お‐よ・る【御寝る】
〖自四〗
「寝る」の尊敬語。おやすみになる。御寝(ぎょしん)なる。増鏡「御門はいづくに—・るぞ」。末広鉄腸、雪中梅「旦那、今朝(こんちょう)は珍らしくよく—・りましたネ」
天皇専門っぽい字だけど、「旦那」にも使うんだな。
ところでこの『古事記物語』。なかなか笑える表現が盛りだくさん。たとえば敬語で言えばこんなの。
凄まじい敬語だな via 『古事記物語』 http://t.co/7Bkd7frQOS 天皇をお殺し申してお位を取ろうとおぼしめして、いきなりお宮へ火をおつけになりました。
— maeda hiroaki (@torisan3500) September 22, 2013
殺す側も身分のある御方なのでこんな話になる。
「赤い鳥」連載のくせに風俗的にすごいのも溢れてる。
via 『古事記物語』 http://t.co/HZfcjZ50ZV おれの妹ともあるものを、あんなやつの敷物にやれるか
— maeda hiroaki (@torisan3500) September 22, 2013
ずいぶん直接的な話だ。神々世界のナンセンス話もあるな。
via 『古事記物語』 http://t.co/Q1NtE3a54t そして、しまいにまた殺されていらっしゃるところをおみつけになると、大急ぎで木の幹を切り開いて、子の神のお死がいをお引き出しになりました。
— maeda hiroaki (@torisan3500) September 22, 2013
何度も殺されかける、ってか殺されてしまうので「また殺されていらっしゃるところをおみつけになる」という話になる。
神々は基本的にわがままで、わがままと言えば子供と同じ振る舞いだということを示す話もある。
via 『古事記物語』 http://t.co/m7ybrO9Mye 喪屋をめちゃめちゃに切り倒し、足でぽんぽんけりちらかして、ぷんぷん怒って行ってしまいました。
— maeda hiroaki (@torisan3500) September 22, 2013
「ぽんぽんけりちらかして」、「ぷんぷん」して行ってしまったのならしかたあるまい。
- 作者: 鈴木三重吉
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鈴木三重吉の本は無料Kindle版も大量に登録されている(元はもちろん「青空文庫」)。結構幸せになれそうだ。
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