30年くらいぶりに読んでいる『田舎教師』に「弁当腹」という言葉が出てきた。
意味は文脈からすぐ分かるけれど、どうしてそういう意味になるのかよくわからない。それならば辞書を引いてみようといろいろとあたってみたけれど、なかなか掲載されていない。
手元の辞書では『日本国語大辞典』にしかないようだ。
弁当で間に合わせに食事をした程度の腹具合。
用例も『田舎教師』から引かれていた。
先にも書いたように、文脈を見れば意味はすぐわかる。ただ、「弁当腹」という言葉だけを見れば、きっと間違えてしまっただろうな。
たとえば「バランスの悪い食事で太っている」だとか、「家の食事以外に外で食べてきたのでお腹がいっぱい」など。
おそらくは、今でいう「弁当」と「弁当」自体のニュアンスも違うのかな。それもあって、辞書にも載らない死語になりつつあるのかもしれない。