気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

「にっぽんいち」と「にほんいち」、偉いのはどちら?

富士は「にっぽんいち」の山だったかな。それなら「にっぽんいち」がきっと偉いに違いない。


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でもそんな主張は受け入れられないに違いないので国語辞典で「日本」を確認してみる。『明鏡』から。

にほん【日本】
〖名〗
わが国の国号。にっぽん。 「にほん」と「にっぽん」は、ともに「日出づる処」を意味する「日本(ひのもと)」の音読から生じたもの。特に法的な規制はなく、慣用的に使い分けられている。複合語を作る場合は「にほん」を用いることが多い。

ひらたく言えば「どっちでも同じだよ」ってことか。「にっぽん」の方が古いけど、使い分けにルールはなく、どちらでも同じなんだよというのがたいていの国語辞典におけるスタンスの様子。

それならば「にほんいち」も「にっぽんいち」も同じ意味であるはず。実際、多くの辞書では同じこととしてくくっている。

ただ、ここでちょっと独自性を出そうとしているのは『新明解』第六版だ。「にっぽん」の子項目として「にっぽんいち」を立項している。

にっぽんいち【日本一】
「にほん一」の強調表現

なるほど。強調表現であるのなら「にっぽんいち」の方が偉いはずだ。やはり違いはあるのだ。

で、『新明解』。ならば「にほんいち」はどう定義しているのかが気になる。もちろんページを繰ってみた。なかなか衝撃の結果だったな。

「にっぽんいち」は「にほんいち」の強調表現らしいのだが、「にほんいち」は立項されていなかった。

まあ、そういうこともしばしばあるのが国語辞典の世界だ。

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