インフルエンザ。英語では一般的に「flu」などという。flewみたいに発音する。
辞書をみれば、「influenza」の短縮形だと書いてあるんだけれど、短縮して「flu」になるというのがどうも納得いかない。
それはともかく。まずは『日本国語大辞典』で定義を見る。
インフルエンザ
〔名〕
({英}influenza 元来はイタリア語で「影響」の意)《インフリュエンザ》 伝染性の強い熱病。感冒の一種。ウイルスによって多く冬期に起こり、A・A1・A2・B・Cの五型がある。一九一八~二三年にかけてのスペインかぜや一九五七年のアジアかぜなど、世界的な大流行をみることがある。呼吸器道粘膜にカタル性炎症を生じ、高熱を発し、筋肉痛、全身倦怠などを伴い、急性肺炎を起こしやすい。流行性感冒。流感。
なるほど。やはり「influence」と関係する語なのだな。それならばと『ランダムハウス英和大辞典』第二版を見る。語源解説が面白い。
1743.<イタリア語<中世ラテン語 influentia; イタリアで16世紀始めから天体の影響とみなされる大流行の伝染病を指したが、1743年のイタリア風邪[流感]から各国語に借用された;→ influence
そうなんだ。インフルエンザは「天体の影響」によるものだったんだ。それであれば「マスク」や「手洗い」など、人知のごときで対抗できようはずもない。
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「influence」の語源欄も見てみる。
中期英語<中世ラテン語 influentia 星の感化力;中世には星の光が体内に流れ込み心身に影響を与えると考えられ、のちに一般的な「影響」という意味になった;→ influent、influenza
「狼男」なんかと同列の存在なんだな。インフルエンザが一気に流行り、そして恐ろしい破壊力を持つものであることがよくわかった。
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