昔の辞書が手元にあると、つい「昔はなかった言葉」など探してみたくなる。たとえば手元に79年の『岩波国語辞典』第三版と、2011年の『岩波国語辞典』第七版・新版がある。
新たに生まれた言葉は数多くあるんだろうけれど、なかなか具体例を思いつかない。ぼくの年代(1966年生まれ)が多く思いつくであろう言葉は「バブル」だ。
1979年の辞書にはなくて2011年にはあるものの例。「バブル」。岩波国語辞典(第七版・新版)によれば「あぶくに似て実質の無い状況」。冷徹だな。ちなみに92年の三省堂国語辞典第四版には既に掲載されている #辞書 #国語辞典
— maeda hiroaki (@torisan3500) 2014, 1月 26
ぼくは就職活動も「バブル」の中で行った。地方の企業に資料請求を求めると、資料と一緒に新幹線の切符が送られてきたりした。都内企業でも説明会に行けば交通費としてかなりの額が支給されたりした。
深夜にタクシーを止める能力がある(ツテがある)というだけでモテたりもした時代だ。「バブルへGo!!」はわりと実際に近かったかなあ。
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『岩波国語辞典』第三版には掲載されていない。第七版・新版は次の通り。
バブル
あぶくに似て実質の無い(、過熱の)状況。…▷日本の一九八〇年代後半、後継機に浮かれた地価高・株高の予想が実際に高騰を招いた現象の評語として、言い出された。bubble(=泡)
ちなみに、バブル時代を「当時は誰もバブルだと思っていなかった」と言われることもあるけれど、それは嘘。「これが続くわきゃないよ」と思ってた人は多かった。
こんな時期、たとえば日本IBMは平成元年に1000人採用したりしたわけだけど、後に「バブル入社世代」として、社内でも冷たく扱われることになった。
90年代になると「バブルははじけた」と言われるようになるけれど、92年に出た『三省堂国語辞典』第四版には既に「バブル」がある。
バブル(名)〔bubble〕
(1)あわ、あぶく。
(2)はかなく消えることのたとえ。「―経済の終わり」
もしかすると「バブル景気」や「バブル経済」に言及せずに「バブル」を載せている辞書もあったのかもしれないけれど、確認できていない。
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