国語辞典は思わぬところで不親切だ。体育や部活などで「腹筋」といえば、たいてい「腹筋運動」を指すけれど、その意味を認めてくれるものはとても少ない。
パンダ @ 腹筋特訓中 Three Panda Babies at Chengdu 2013 December 大熊猫 パンダ: http://t.co/NbH2it7ts7 @youtubeさんから
— maeda hiroaki (@torisan3500) 2014, 2月 27
親切なのは『三省堂国語辞典』だ。昔から「腹筋運動」の意味を認めている。
ふっきん【腹筋】
(名)
(1) 〘生〙はらの部分を形作っている筋肉。ふくきん。
(2) 〔←腹筋運動〕あおむけになって、上体をおこす運動。
この語釈で文句はない。「そうだよね」という感じ。だけど中型辞典を含め、他の辞書はなかなかこの「腹筋運動」を認めてくれないんだな。用例部分に引くのみだ。
『広辞苑』第六版を見る。
ふっ‐きん【腹筋】
腹壁を構成している筋の総称。腹直筋など。「—運動」
他の辞書もこんな感じ。「腹筋」だけで「腹筋運動」を指すことはイレギュラーなことかな。
ところで「構成している」も面白い。これは『三省堂国語辞典』もそう。腹筋は「腹にある」んじゃなくて、腹を「構成している」んだな。ほとんどがそれを主張している。
『新明解』第七版も見ておく。
ふっきん【腹筋】
腹の部分をつくっている筋肉。ふくきん。
生物学的(そんな大げさな話ではない)にいえば、「筋肉」は「つく」ものではなくて「ある」ものなのだ。
- 作者: 山口典孝,左明,石井直方
- 出版社/メーカー: マイナビ
- 発売日: 2011/11/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 1人 クリック: 7回
- この商品を含むブログ (1件) を見る