『「広辞苑」は信頼できるか』という本を読んでいる。タイトルからうけるイメージほど好戦的なものではなく、わりとよくある内容分析や比較を行っている本だ。その中で「鯖読み」という言葉が取り上げられていた。
面白いのは語源的な部分。『新明解』第七版から見る。
新明解 第七版の「さばよみ」。「自然にごまかすようになった」という性悪説(?)が面白い #国語辞典 #辞書 pic.twitter.com/LJdQgTE6mU
— maeda hiroaki (@torisan3500) 2014, 4月 4
「正確性を失った」のではなく、「ごまかすようになった」という断定がすごい。「自然に」だものなあ。機会があれば人間はみな、ごまかすのであるという主張か。
その正反対にあるのが『日本国語大辞典』が掲載する語源説 のうちのひとつ。
日本国語大辞典にある「鯖読み」語源説のひとつ ― 「(3)サバ(鯖)は腐りやすいため急いで数を数えて売りさばく必要があり、そのときに数をごまかすことが多かったところからか〔上方語源辞典=前田勇〕」。新明解の性悪説に対して、こちらは性善説だ(^^) #辞書 #国語辞典
— maeda hiroaki (@torisan3500) 2014, 4月 4
「ごまかし」は、「急ぐ」という目的から「たまたま生じてしまった」副作用であるわけだ。「自然とごまかす」の対極にある。
ところで『新明解』第三版に記載されている「鯖読み」はぜんぜんわからない。
新明解 第三版の「さばよみ」が全くわからない^^。ちなみに第七版は全く異なる形になっている #国語辞典 #辞書 pic.twitter.com/Eih3cPi0he
— maeda hiroaki (@torisan3500) 2014, 4月 4
なんかの間違いじゃないかと思うんだけど、どうなんだろうか。