グリニッジ天文台が始まりで、日本の明石は135度。135÷15=9だからロンドンと日本の時差は9時間。そんなことを小学生でも応えてくれる。ロンドンのあたりに引かれる経線を「本初子午線」ということもよく知っている。
しかし、有名な「本初子午線」ではあるものの「本初」の意味を載せていない国語辞典もある。
三省堂国語辞典、「本初」は立項せず。中学ですぐ「本初子午線」なんて言葉を習うから、立てておいてもいいと思う。ちなみに「本初」とは「はじめ」とか「もと」の意味 #国語辞典 #辞書 pic.twitter.com/9DzkjyaOjy
— maeda hiroaki (@torisan3500) April 11, 2014
『新明解』には載っているし、もちろん『広辞苑』にも載っている。『広辞苑』から引く。
ほん‐しょ【本初】
(ホンジョとも)はじめ。もと。
⇀ほんしょ‐しごせん【本初子午線】
「本初子午線」が下位項目になっているのもわかりやすい。ちょっと微妙なのは『明鏡」だ。
ほん‐しょ【本初】
〖名〗はじめ。もと。「―の計画」
「本初」を立項してはいるのだが、例にも、あるいは下位項目にも「本初子午線」はない。「本初子午線」以外に「本初」を使うことはあまりないので、普通に例示しておけば良いのではないかな。
もしかすると『三省堂国語辞典』では「本初子午線」でしか使わないから、と省いているのかもしれない。でも「ほとんど全員」が触れる言葉(義務教育で習う)であり、かつ自明の言葉でもないと思うから載せるのが普通かなと思う。
まあそんなわけで「本初」はOK。では「子午線」はどういう意味なんだろうと考える中学生もいるかもしれない。これは単純に方角を十二分割して十二支で示した時に北が「子」で南が「午」になるというだけの話。
ただ、以外に辞書は不親切かもしれない。たとえば『広辞苑』はこんな感じ。
しご‐せん【子午線】
(meridian)(「子」は北、「午」は南の意)
(1) ある地点の天頂と天の北極と南極とを通過する天球上の大円。球面天文学上の座標の基準の一つ。
(2) 地球上の1地点と地球の南北極とを含む平面が地球表面と交わった大円。経線。
十二支への言及もなく、どういう理屈で「子」が北なのかわからない。『明鏡』も同様。
しご‐せん【子午線】
〖名〗
(1) 地球の両極をたてに結び、緯線と直角に交わる仮想の線。地球の子午線。経線。
(2) 天球上で、天の北極からある地点の天頂を通って天の南極にいたる大円。天の子午線。
もしかすると方角を十二支で表すのは呪術に関することで教えちゃいけないことになっているのかもしれない(そんなわけはない)。
『新明解』がわかりやすいと思う。
しごせん【子午線】
〔十二支を用いた方位において、子は北、午は南。すなわち、「南北方向の線」の意〕
(1) 天球の真北から天頂を経て経て真南に至る線。〔この線により、天球は東と西にに等分される〕
(2) 経線
「本初子午線」。中1の中間テストに出てきそうな言葉だけど、辞書を引いてみるといろいろと遊べるんだな。