ちょっと苔がマイブームで、虫眼鏡なんぞ購入した。
虫眼鏡その2 pic.twitter.com/chuPEKGbZN
— maeda hiroaki (@torisan3500) 2014, 6月 22
いろいろとコケの本など読んでいるんだけれど、同定が難しく、シダ類と混同することもあり、さらに食うとメチャマズなのが一般的なんだそうだ。
そんな苔と関係あるのかないのか「コケにする」。
植物の中で低級な存在と思われがちな「苔」であってみれば「苔にする」という言葉が悪口として存在していても不思議ではない気がする。
『広辞苑』
しかし「コケにする」の方は「虚仮にする」と書くのだそうだ。「虚仮」を『広辞苑』でみる。
こ‐け【虚仮】
(1)〔仏〕内心と外相とがちがうこと。真実でないこと。歎異抄「ひとへに賢善精進の相をほかにしめして、うちには—をいだけるものか」
(2) 思慮の浅薄なこと。おろかなこと。また、そういう人。洒落本、辰巳婦言「是もやつぱりおれが—から発(おこっ)たことだ」
(3) (名詞などの上に付けて)むやみにするの意を添え、また、けなして言うのに用いる。「—おしみ」「—おどし」
ただし、上の2番めの意味については「苔」のことなんじゃないかという説もあるようだ。『日本国語大辞典』の語誌欄を見る。
(1)フケルのフケと同根。フケルは、茫然となって常の心を失う意〔不幸なる芸術=柳田国男〕。
(2)「虚仮」の呉音で、心相の真実ならぬ意の仏語から〔大言海〕。
(3)コケ(苔)の転義。古いものにでき、何のながめにもならないところから、金銀を無駄に使う者をいう〔喪志編〕。
まあ、「虚仮」であれ「苔」であれ、さほど意味に違いは出てこないようにも思える。登場したときから「虚仮」と考えながら発話する人と「苔」と考えていた人の双方がいたのかもしれない。