『三省堂国語辞典』をめくっていると「面白半分」という言葉が独立して立項されていた。
おもしろはんぶん【面白半分】
(名・形動ダ)ただおもしろそうだという・理由(ようす)。「これは―ですべきことではない」
納得のいく語釈だ。
他の辞書はどうだろう。立項していない辞書も多いようだが、たとえば『岩波国語辞典』にはあった。
おもしろはんぶん【面白半分】
〘名ナノ〙(図に乗って)からかい気味に、またはやじ馬的に、それをするという態度。「―でできはしない」
『広辞苑』にもある。
おもしろはんぶん 【面白半分】
半分はふざけた気分で、真面目ではないこと。なかば面白がっていること。
それぞれの微妙な違いが面白い。
たとえば『三省堂国語辞典』は「面白い」ことについての価値判断はしていない。しかし他の2つは「面白い」という判断基準自体を程度の低いものと評価しているようだ。
さらに、『広辞苑』はちょっとした独自路線だ。「半分はふざけた気分」というのはどういうことか。あとの半分はふざけていないのか。「面白半分でやるな!」と言うとき「半分はまじめでも許さんぞ」ということを意図している人がいるだろうか。
ちょっとわからない語釈じゃないかと思う。