気になる言葉 on 国語辞典

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「男爵芋」は「ジャガイモ界の男爵!」なわけではない

ずいぶん前に書いたんだけど、もしかするとあまりに恥ずかしいことかと公開を躊躇っていた。

男爵芋」の話だ。ずっと「ジャガイモ界の中でも男爵の名に値する特徴を持つ芋なのだな」と思い込んでいた。実は全く違うのそうだ。

日本国語大辞典を見る。

だんしゃく‐いも 【男爵芋
〔名〕
ジャガイモの一品種。早生で収量が多く日本各地で最も多く栽培される。いもは扁球形、黄白色、肉は白色で味がよい。明治末年、北海道七飯(ななえ)の農場主、川田龍吉男爵がアメリカから輸入したアイリッシュコブラーの馴化品種。だんしゃく。

なんと、「男爵」はジャガイモ側の属性ではなかったのだ。

ジャガイモの味の良さだとかから「これはもう男爵だね!」となったわけではない。輸入した人が「男爵」だったんだ。もしかすると「伯爵」とか「子爵」とかになったかもしれないわけだな。

あたりまえ過ぎますか。みんな知ってますか。ぼくは知らなかったんです。

ところでジャガイモの種類でもうひとつ有名なものといえば「メークイン」。こちらはかつての豪華船「メイクイーン号」で多く輸送されていたから、とかそんな話は全くない。

とくに面白い理由があるわけではなさそうだ。

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