きっかけは東京都下水道局のツイートだった。自分の「誤解」を思い知らされたのだった。
【意外と知られていない話】海外出張などで長期間自宅を空ける場合、トイレや台所にあるトラップの水分が蒸発してしまうことがあります。トラップが機能しないと、下水道からの臭気などで室内が不衛生になるので注意しましょう。 #出張 #トラップ pic.twitter.com/X2XbrmXrC7
— 東京都下水道局 (@tocho_gesuido) 2015, 3月 18
洗面台などの下にある、水道管をちょっと曲げた部分。これを「トラップ」と呼ぶことは知っていた。大事な役目を持っていることもしっていた。ただ、その「大事な役目」の内容を誤解していたのだった。
長らく、何かを無闇に下水に流さないための仕組みだと思っていた。固形物を流そうとするとここにひっかかるようにしているんだと思っていたのだった。
なるほどなあ、虫や臭いよけなのか。
ついでに辞書を見てみると、辞書たちが意外に「トラップ」を詳しく扱っているので驚いた。たとえば下は『大辞林』(第二版)。絵入りだ。
定義もひいておく。
トラップ【trap】
(1)罠
(2)排水管からの汚臭の逆流を防ぐための装置。管の一部をU字・S字などに曲げて、水をためておくもの。
(3)蒸気暖房で、配管の凝結水を排出するための装置。
(4)射撃の標的として粘土製の皿を発射する装置。クレー射出機。
定義的には2番目ながら、図で説明するのはこの排水管の話であるわけだ。
小型の『三省堂国語辞典』などもちゃんと図を掲載している。
上は第四版だけど、語釈は第七版から引いてみる。
トラップ【trap】
一(名)
(1)わな(罠)。
(2)下水などからのいやなにおいをふせぐために、一定の水をためておく装置。臭気どめ。
(3)クレー射撃の種目。前方へ飛び出す標的をうちおとす競技。
二(名・他サ)
〔サッカーで〕ボールを受け止め、次の動作に移れるようにコントロールすること。トラッピング。
第七版では語釈が増えているけれど、図はやはり排水管のトラップだ。
辞書はトラップが好きなのかなと思って英和辞典を見てみた。
「トラップ」は英語でも「トラップ」というのだな via ランダムハウス英和大辞典 #辞書 #英語 pic.twitter.com/GPQ1Q3Nb8C
— maeda hiroaki (@torisan3500) 2015, 3月 18
なるほど。英語でも「トラップ」と呼ぶし、そして英和辞典も「トラップ」は人気らしい。