地元ではちょっと名のしれたピッチャーだったけれど、もちろん「釣瓶打ち」をくらったこともある。
ちなみに「釣瓶打ち」とは「やたらめったら打たれまくる」というような意味だ。
ところで、やたらめったら打たれることをなぜ「釣瓶打ち」というんだ?
「釣瓶」といえばあれだ。「釣瓶取られてもらい水」の釣瓶だ。一応『広辞苑』の定義をひいておこう。
つるべ【釣瓶】
縄や竿の先につけて井戸の水を組み上げる桶。また、その装置。
「釣瓶(つるべ)」は、まあぼくの世代(50歳だ!)ならとりあえず理解できる(そうはいっても井戸が日常用水だったわけじゃあない)。
なので「釣瓶落し」という語は感覚的にもわかる。「どんどん落ちていく!」ってな意味だ。しかし「釣瓶打ち」はわからない。「釣瓶」と「打たれまくる」ことの関係が見えないのだ。
で、辞書を見てみたわけだけど、衝撃の結末だった。いろんな辞書にあるけれど、『明鏡』を引いてみよう。
つるべうち【釣瓶打ち・連べ打ち】
〘名〙うち手が並んで銃を続けざまにうつこと。
▼動詞「連(つる)ぶ」の連用形から。野球で連続して安打を打つ意でも使う。
「釣瓶打ち」は当て字。
わははは! 「釣瓶打ち」をいう言葉の語源がわからないのも無理はない。「当て字」だったのだ!
「釣瓶打ち」は、ときに古語辞典にも載っている言葉。そんな言葉(表記)が「当て字」だったとはなあ。
死ぬ前に知ることができて嬉しい(^^)。