半世紀の人生、「料理」なるものをしたことがない。スパゲティを茹でたことはあるけれど、ソースはレトルトのカレーがせいぜいのところ。インスタントラーメンを茹でたこともあるけれど、「具」は入れるにしても「生玉子」だ。
カレー・スパゲティ・ハンバーグ・グラタン―こどもが大好きな (レディブティックシリーズ (1851))
- 出版社/メーカー: ブティック社
- 発売日: 2002/04
- メディア: ムック
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しかしようやく、「料理」をしてみようかと思い始め、徐々にそれらしきことをし始めている。最初に作ったのはカレー。これはきっと誰が作ってもうまい(飴色の玉ねぎ、ってのは単に焦げた玉ねぎにはなった)。次に作ったのはチャーハン。これはかなり満足のいくクオリティ(当社比)だった。
そして今日作ったのが「焼き飯」だ。玉ねぎ、人参、ピーマン、マイタケ、そしてこんにゃくを使って適当につくってみた。ただ、玉ねぎを炒めながらふと考えた。「チャーハンと焼き飯の違いはなんだろう?」。
個人的には「パサッ」としたのが「チャーハン」で、やや「ねちょ」(気持ち悪いな。ご飯に少々粘り気が残っている状態をイメージしてる)っとしてるのが「焼き飯」だ。
しかしそんな区別は嘘だったようだ。岩波国語辞典を見る。
上の写真に曰く「飯を油でいためて作った料理。いりめし。チャーハン」とある。すなわち「焼き飯」とは「チャーハン」のことであると定義しているようなのだ。
「まじかよ」とつぶやきながら、『日本国語大辞典』を見てみた。
やき‐めし 【焼飯】
〔名〕
(1)「やきむすび(焼結)」に同じ。
(2)「チャーハン(炒飯)」に同じ。
まじだった。「焼き飯」とは独立した存在でなく、「やきむすび」あるいは「チャーハン」を指す言葉であるのだそうだ。ついでながら『大辞泉』も「焼き飯」の項で「チャーハンのこと」と定義している。
ちゃんとした人にはきっと当たり前のことなんだろう。さっきも書いたけれど、50年間もまったく料理をしてこなかった(実は血とか《調理前の》肉とかが怖くて触ることができない…)ぼくにはとても意外な話だった。
「ぶどう酒」と「ワイン」の区別のようなものなのかな。ぼくは料理道をまた一歩前進したはずだ(笑)。