「魑魅魍魎」についての説明を目にした。曰く「『魑魅』は〝山の妖怪〟で『魍魎』は〝水辺の妖怪〟」という話(via 『漢和辞典的に申しますと。』円満字二郎)。
ものの本によれば、「魑魅」は〝山の妖怪〟で「魍魎」は〝水辺の妖怪〟。
— maeda hiroaki (@torisan3500) 2017年4月7日
via 『漢和辞典的に申しますと。』(円満字二郎)
「ものの本」とぼかしてあるのはなんなんだよと、手元の辞書でチェックしようとしてまた驚いた。「魑魅魍魎」を立項していない辞書が多いみたいなのだ。
「魑魅魍魎」を立項せずにどうなっているかというと、「魑魅」と「魍魎」を分けて項目立てしているのだ。恥ずかしながら分けて使える言葉だと意識したことはなかったな。
先の円満字説に近い『岩波国語辞典』をみる。
まず「魑魅」。
ちみ【魑魅】
山の中のばけもの。すだま。転じて、一般にばけもの。
「魍魎」はこんな感じ。
もうりょう【魍魎】
(1)水の神。
(2)山や川に住む化物。
ふむ。「魑魅が山辺で魍魎が水辺」というのは定説だったのか?
そう思いながら『日本国語大辞典』もみてみた。
ちみ【魑魅】
(「魑」はばけものの類、「魅」はもののけの類)
山林の気から生じるというばけものの類。山や沢の怪物やもののけ。すだま。
「魍魎」の方は次のような感じ。
もう‐りょう[マウリャウ] 【魍魎・罔両】
山川、木石などの精霊。水の神ともいう。
ほう。やはり「魑魅」が山で「魍魎」が川方面であるらしいな。
ただし、『日本国語大辞典』は「魑魅魍魎」とまとめても立項している。
ちみもうりょう【魑魅魍魎】
(「魑魅」は山林の気から生じるばけもの、「魍魎」は山川や木石の精霊)
いろいろな妖怪変化。種々のばけもの。
なんだか「魑魅」と「魍魎」にわけた記述と「話が違う」ような気がしてしまうな。しかしそれはたぶん、ぼくの勉強不足なのだろう。
いつか改めて「魑魅魍魎」の勉強をしてみよう。
# ところで下に載せた『漢和辞典に訊け!』は大名作だと思ったな。ずいぶん前に読んだ時、すぐさま書店に言って何冊も漢和辞典を購入したものだった。漢和辞典もそうとうに楽しい。