50歳にして料理をはじめたぼくではある。業としてしている人には叱られるかもしれないけれど、まあ、楽しい。今の世の中、Cookpadなんてものがあるのも便利だ。
ただ、料理の世界にはいろいろわからない言葉があるのには困ったもの。ときどき出てくる「カップ」ってのもよくわからない。
これは国語辞典をみても「200ミリリットルのこと」などと記されていて、なんでそれが「1カップ」になるのかとかよくわからない。
『岩波国語辞典』から引く。
カップ
(1)持つ手のある茶碗。▷特に計量カップを指すこともある。
(2)賞杯。
(3)ブラジャーの乳に当てる部分。
辞書をひいてみて、なぜ200mlが1カップなのかという疑問は軽くなった。より重要なのは「乳に当てる部分」だろう、やっぱり。
どうやら、(ほぼ)すべての国語辞典が「乳にあてる部分」を強調しているようなのだ。
たとえば『三省堂国語辞典』では「ブラジャーの乳房をおおう、ふくらみの部分」とある。『広辞苑』にも「ブラジャーの、乳房をおおう部分」という表記がある。『新明解』第三版では「ブラジャーの、乳房を直接おおい隠す部分」となっている。
どれだけの人が「カップ」の語釈に「乳に当てる部分」という語釈を期待して辞書をひくのかはわからない。しかし国語辞典は「そういう人が多いでしょ!?」という立場にたっているようだ(?)。
男の身としては「おおう」(三省堂国語辞典など)部分なのか、それとも「おおい隠す部分」(新明解)なのかよくわからない。あるいは「ふくらみの部分」という『三省堂国語辞典』の表記を悲しむ人がいるのかどうかもよくわからない。あるいは『新明解』のいう「直接おおい隠す」の「直接」に意味があるのか、それとも「イキオイ」で書いたのかも、ぼくにはわからない。
ただ、すべての国語辞典(ぼくの確認した限りの話)で「カップ」をみると「乳」に言及している。ぼくはなんとかカップと言われてもよくわからないのでスルーではある。しかし世の中には、国語辞典をチェックして胸の大きさを確認する人もいるんだろう。
計量カップのワンカップってのはいったいなんだろうと思いつつ、世の中には計量カップなどよりも大事であるらしいことがあるのを知った今日であった。
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