気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

岩波国語辞典に「自衛隊」はない。

「おお、そうなのか」とちょっと驚いた。『岩波国語辞典』には「自衛隊」がないのだ。

たいていの辞書は「自衛」の子項目として「自衛隊」を掲載している。しかし『岩波国語辞典』は「自衛」のみ。下の写真は第7版。手元にあった第3版にも載っていなかった。

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たとえば『新明解』で「自衛」をひけば「自分で自分を守ること」と定義されている。そしてその子項目として「自衛隊」も定義している。

じえいたい【――隊】
日本の平和と独立を守り、国の安全を保つために作られた防衛組織。総理大臣の統率下にあり、防衛大臣が隊務を統括する。

三省堂国語辞典』も同様に「自衛」の子項目に「自衛隊」を定義する。

じえいたい[自衛隊
日本の平和と独立を守り、国の安全をたもつため、第二次世界大戦後つくられた防衛組織。

この「第二次世界大戦後」の語は、語釈に馴染んでいないように見えるけれど、まあ「自衛隊」はふつうに定義している。

自衛隊を載せないとは、さすがに岩波?」と考えながら思い出した。『広辞苑』も岩波だ。こっちにも載っていなければそうとうすごいな、と思いながらみてみた。でもさすがにこちらには載っていたな。

じえいたい【自衛隊
日本の安全を保つための、直接および間接の侵略に対する防衛組織。内閣総理大臣が最高指揮権を有し、防衛省が管理・運営する。陸上・海上・航空の各自衛隊から成る。1954年防衛庁設置法により、保安隊(警察予備隊の後身)・警備隊(海上警備隊の後身)を改組したもの。

こちらは結構詳しいんだな。

自衛隊」を載せていない(普通の)国語辞典は『岩波国語辞典』以外にあるだろうか。ちらと探してみたところでは見当たらなかった。見つけた方、教えていただければ幸いです。


[ 自衛隊に入ろう ]  高田 渡