気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

「波浪」ってどっちも「なみ」じゃん?

台風5号の影響で、「波浪注意報」がどうしたなんて言葉をよくきく。ところで「波浪」って、「波」も「浪」もどっちも「なみ」。2つ重ねることで何を意味しているんだろう?

三省堂国語辞典』をみるとなかなかラディカルな記述があった。

そりゃそうなんだけどね。ならなぜ「波」と書かず、あるいは「浪」と書かず、「波浪」と書くのかが知りたいんだよなあ。

『新明解』もなかなか難しい。

はろう【波浪】
(沖から押しよせてくる)波。

「押しよせて」こない波ってのはどんなのだろうなあ。

『岩波国語辞典』にはなんだか「それらしい」ことが書いてある。

はろう【波浪】
水面の上下運動。なみ。▷「波」は小波、「浪」は大波

「なるほどそうなのか!」と思ったけれど、他にそういう説明を聞いた記憶もない。それに「波浪注意報」は、決して「大波小波注意報」ではないように思うんだよな。

 もっとわかりやすい国語辞典的定義はないのかと『日本国語大辞典』をみても、問題の解決にはならなかった。

は‐ろう【波浪】
風浪、うねり、およびそれらの変形である磯波(いそなみ)の総称。波濤(はとう)。

なんかいろいろ説明してくれてるんだろうけど、ぼくにはよくわからない。

しかたないので辞書ばかりみてないでGoogleってみた。すると気象庁の用語解説ページがみつかった。

波浪
海洋表面の波動のうち、風によって発生した周期が1~30秒程度のもの。風浪とうねりからなる。

「波」はどうやらいろいろな理由で発生するけれど、風によって発生したものをまとめると「波浪」と呼ぶというよなことか。

いまだによくわかんないけれど、気象学的(?)テクニカルな要請からできた言葉なのかな。素人的には結局「波浪」=「波」なのかもしれない^^。

ラジオ用天気図用紙 No.1(初級用改訂版)

ラジオ用天気図用紙 No.1(初級用改訂版)