気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

「時化」って言葉の由来は?

明日は政権選択選挙。けれども問題は明日の雨。海は時化る(BGMは「傘がない」)。


井上陽水 - 傘がない RIJF2007

「傘がない」は大好きだ。ただ、「時化」はなんで「時化」っていうんだろうな。今はそれが知りたい。

 『日本国語大辞典』をみればすぐにわかるだろうと、「時化」を引いてみた。しかし語源に関する記述はほんのわずか。

(動詞「しける(時化)」の連用形の名詞化)

というだけだ。

もちろん「しける」の動詞も見てみる。しかしこちらの方にも語源に関する記述はほとんどない。

(「時化」は当て字)

なんで「しけ」と言い、そしてできれば、なんで「時化」という漢字を当てるのかについて知りたいんだけどね。

他の辞書を見てもなかなかみつからない。『大辞泉』にようやく答えをみつけた。

《「湿気(しけ)る」と同語源。「時化」は当て字》

 なるほど。「しける」とは「湿気る」であり、そこに「時化る」の字を当てたということみたい。

大辞泉』以外の語源説がみつからないから、もしかしたら違うかもしれない。でも「『時化る』は『湿気る』のことである」と言われれば、まあ納得はいく。

ただ、ちょっと単純すぎて拍子抜けなので、気になる話もメモっておく。

先に書いた通り、『日本国語大辞典』などによれば「時化」は「時化る」の動詞から生まれた言葉だとする辞書が多いみたい。しかし『岩波国語辞典』では名詞が元だとの説に立つ様子。

しける【時化る】
(1)風雨がひどくて海が荒れる。また、海が荒れて魚類が取れない。 ▷名詞「時化」を活用させたもの。(略)

『岩波国語辞典』というと、なんとなく「権威筋」な感じがしてしまうんだけど、こんなふうに細かく通説に戦いを挑むところがあるみたいだ。


RCサクセション ボスしけてるぜ

 

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