「おシャカになる」という言葉を、いつ使ったのかは覚えていない。でも昔はわりと普通に使ったような記憶がある(捏造の可能性あり)。
ぼくはその当時から「シャカになるならラッキーじゃん!」なんて思ってもいたのだった。
念のため確認しておくと、「おシャカになる」の「シャカ」とは「できそこないの製品。不良(品)」という意味だ(『三省堂国語辞典』より)。
「おシャカになる」とは、「悟りを開いたお釈迦様になる」というような意味ではないのだ。
なぜ「できそこない」や「不良」になることを「お釈迦になる」というのか。諸説あるらしい。
江戸っ子が「火がつよかった」と言うのが「シがつよかった」になり、「四月八日」と聞こえた。その日は釈迦の誕生日なので、失敗することを「おしゃかになる」という。
— maeda hiroaki (@torisan3500) 2018年4月8日
via #日経新聞 「遊遊漢字」「卍」を「まんじ」と読む理由https://t.co/JPp3xI21HB
これは日経新聞に載っていた話。ぼくの知っている語源と違うので、辞書をみてみた。
「おしゃかになる」の語源説。
— maeda hiroaki (@torisan3500) 2018年4月8日
(1)火が強すぎて失敗し、「火が強かった」を、「四月八日だ」としゃれ、この日がお釈迦様の誕生日であるため、オシャカになったと言いかえたのではないか。
(2)地蔵の像を鋳ようとして、誤って釈迦像を鋳てしまったことからという。
via 日本国語大辞典
そうそう、ぼくが知っていたのは「間違って釈迦を作ってしまった」説だった。
ちなみに『新明解』をみると、また別の説もある。
おしゃか【御釈迦】
〔博打に負けて裸になった状態を、灌仏会の釈迦像にかけて言った洒落から〕「出来そこないの製品」の意の、業界の通語。不良〔品〕。
これは聞いたことがなかったな。「灌仏会の釈迦」というのも、無教養なぼくにはわかりにくい。
しかし、これほどメジャーな言い回しにも、諸説あるのにはびっくり。ぼくは未だに「やべ、釈迦を作っちゃったよ」説をとるけれど、「しがつよかった」説もちょっと魅力的だな。
ま、いずれにせよ。「お釈迦になる」がハッピーな意味じゃないのは通説であるようだ^^。