幸いに(?)、歯槽膿漏の診断を受けたことはないけれど、昔からよく耳にする単語ではある。よく耳にはするが、わかっちゃいないので「槽」を辞書を引いてみた。
たとえば『岩波国語辞典』では次のように定義している。
そう〔槽〕
(1)家畜に飼料を与えるための食器、かいばおけ。また一般に、液体を入れる〔木製の〕容器。おけ。
(2)おけの形をしたもの。「歯槽」。
これ、かなり「アレ」に感じてしまうのはぼくだけだろうか。「歯槽膿漏」ってのもよくわかんないけど、「歯槽」が、「おけの形をしてる」と言われても全くイメージがわかない。
しかし『新明解』も「槽」の2番めの定義で「おけの形に似たもの。『歯槽』」としている。
どうやら「歯槽」は、よっぽど桶ににているらしい。
「へーそーなんだー」(棒読み)モードの中、「歯槽」も引いてみた(『岩波国語辞典』)。
しそう【歯槽】
歯の根がはまっている、あごの骨の穴。しそうのうろう【―膿漏】歯槽に膿がたまる疾患。
なるほどなあ。ぼくが「歯槽膿漏」なる語を初めて耳にしたのは40年ほども前のことになるんだと思う。でも「歯槽」ってのが何かを知らずに過ごしていたなあ。
ちなみに『日本国語大辞典』の「歯槽」は次のような感じ。
し‐そう[‥サウ] 【歯槽】
上下顎骨の各歯の歯根をいれるための陥入部。
たぶんぼくが馬鹿なのだ。なんせ「おけの形をしたもの」の例として、国語辞典が「歯槽」をあげるくらいだ。「歯槽」という言葉の意味を知らないのはおかしなことなのだとは思う。
しかし、世の中の人は、どういうタイミングで「歯槽」なんて言葉の意味を知るんだろうなあ。
ぼくだけが、子供の生まれ方を知らなかったみたいな、そんな恥ずかしさを感じた(笑)。
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