『明鏡』の初版(2003年)を読んでいた。そこで出会ったのは「フォーマット」。
フォーマット【format】
(1)形式、書式。
(2)コンピューターで、フロッピーディスクなどの記録媒体にデータを管理する区画を作り、管理情報を書き込んで使用可能にすること。初期化。また、その形式。
(3)コンピューターで、画像ファイルの保存形式。画像フォーマット。
思いっきり「フロッピーディスク」と書いてある。今はどうなんだろう?
歴史の変遷を見てみようと思って、『広辞苑』の3版(83年)、6版(08年)、7版(18年)を見比べてみた。
まず5版。これには…「フォーマット」が載っていなかった^^。
6版は次のような感じ。
(1)型式。書式。
(2)コンピューターの記憶媒体の記録形式。また、特定の記録形式を設定するための初期化。「フロッピー・ディスクを初期化する」
本文にはないが、例文で「フロッピー・ディスク」に触れている。
1990年代末、コンビニでもフロッピー・ディスク」を売っていた。それがいつの間にかCD-Rを売るようになり、そしていまではそんなもん見ないようになってる。
6版が刊行された2008年には、フロッピーもほとんど使わなくなっていたように記憶するな。データのやり取りはCDがメインだったかなあ。
そんな時代を経て、7版ではどうなっているか。
(1)型式。書式。
(2)コンピューターの記憶媒体の記録形式。また、特定の記録形式を設定するための初期化。
あはは。「フロッピー・ディスク」の例文が消えただけだな。
1995年くらいまで、フロッピー・ディスクはもちろん、ハードディスクも「使う前の初期化」は常識だったような記憶がある。今では「初期化」という言葉もあまり聞かない気がするなあ。
『広辞苑』第八版の「フォーマット」がどうなるかはちょっと楽しみだ。
ちなみに『三省堂国語辞典』の6版と7版(最新)はさほど変わらず「〔コンピューターのディスクなどを〕データの記録ができる状態にすること。初期化」と定義している。
「コンピューターのディスク」ってのも、すでにわりと通じない時代になっているかもしれないな。
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