『広辞苑』の第三版(1983)に「ペットボトル」の「PET」はない。83年といえば、ぼくが高校三年生の頃だ。つまり、ぼくは青春時代のほとんどを「ノーPET」で過ごしたってことになる。
当時を思い出して、 「うん、たしかになかったね」と思う。自販機の飲み物は缶だったし(ボーリング場や、なんらかの施設では瓶も多かった)、余談ながら「お茶」を自販機で売るなんてなかなか想像できない時代だった。
ペットボトルってのはいつ頃から出てきたんだっけとWikipediaを見てみた。
ペットボトルは、日本ではキッコーマンと吉野工業所が、1977年にしょうゆの容器として開発し、その後1982年に飲料用に使用することが認められ、同年より日本コカ・コーラ(1983年から全国展開)、1985年からはキリンビバレッジ(当時麒麟麦酒)が1.5リットルペットボトル入り飲料を発売開始。
なるほど、『広辞苑』第三版の頃がちょうど境目なのだな。最新版(七版)にはもちろん「PET」で立項されている(参考:『新明解』は「PET」で立項せず、「ペットボトル」で立項している)。
PET
(1)(polyethylene terephthalate)ポリ・エチレンテレフタラートの略称。
(2) (positron emission tomography)ポジトロンCTのこと。
―・ボトル【〜 bottle】ペット(1)製の瓶状の容器。軽くて割れにくく、飲料などの容器に用いる。
考えてみれば、ぼくもすでにペットボトルとともにある時代を長く過ごしている。「そういえばPETボトルなんてなかったな」なんて記憶も薄れつつある。
でもまあ。ウィスキーなどの酒がペットボトルに入っているのには、まだ違和感を覚えたりもする。
そんな「感覚」もいつか消えるのだろうな(ぼくがそれまで生きていることはないと思うけど…^^)。