『日本国語大辞典』第二版で「オオクニヌシノミコト」を見てちょっと驚いた。
おおくにぬし‐の‐みこと[おほくにぬし‥] 【大国主命】
(中世以降の呼称。古くは「おおくにぬしのかみ」)
「古事記」が設定した国つ神の首魁。
「オオクニヌシノミコト」は「首魁」だったのだ。
古事記が「設定した」、「首魁」だ。なんか超ワル者の感じもする。
「首魁」を『広辞苑』でみてみよう。
しゅかい【首魁】
(1)さきがけ。先登。
(2)張本人。特に、騒動・内乱などの首謀者。かしら。巨魁。
やっぱりあくどい感じがある。『日本国語大辞典』はどのような立場から、「オオクニヌシノミコト」を「首魁」と呼ぶのか。
「なんでだろうなあ」と思いながら、『日本国語大辞典』の第一版をみてみた。するとそこには「首魁」などという表現はカケラモナイのだ!
第二版で「首魁」とする部分で、第一版は「出雲神話の主神」と記すのみだ。
『日本国語大辞典』は、どういう立場で「オオクニヌシノミコト」を「首魁」と呼ぶことにしたのだろう。第一版の記述に不備があるようにも感じられないが、誰がどうして第二版の記述に改めたのだろう。
もしかすると有名な話なのかもしれない。ぼくは、知識がなくてよくわからない。でもとても興味深い差異だと思うのだ。
国学院あたりの卒業生に聞けばわかるんだろうか…?