気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

「マガジン」はもともと「倉庫」の意味。

ハードボイルド小説なんかを読むと、「弾倉」の意味で「マガジン」という言葉が使われるのを見る。

大薮春彦の『野獣死すべし』から引いておこうか。

銃把の弾倉止め(マガジンストップ)を押し、マガジンから挿弾子(クリップ)をぬき出した。挿弾子(クリップ)の横にあいた小穴からのぞくと、鈍いギルテッド・メタルの肌を光らせた弾が五発つまっている。

読んだ当時(数十年も前だ)「へー、マガジンにはそういう意味もあるのか」と思いつつ、辞書などで調べてみたことがなかった。

今日、『ランダムハウス英和大辞典』を眺めていて、偶然に「マガジン」の由来を知ることとなった。「そうだったのか!」と驚いたんだけど、さて、国語辞典にはどのように定義されているんだろう?

日本国語大辞典』をみる。

マガジン
({英}magazine )《マガジーン・マガージーン》
(1)雑誌。
(2)フィルム容器の一つ。カメラに装填(そうてん)して使用するもの。パトローネと異なり、反覆使用を目的としたもの。

そうなのだ! 国語辞典の多くが「弾倉」としての「マガジン」を説明していない。これは『広辞苑』も同様だ。『岩波国語辞典』、『新明解』なども載せていない。

(『三省堂国語辞典』や『明鏡』には載っているな…)

「日本唯一の」大辞典である『日本国語大辞典』や、デファクト(ってほどではないかもしれないけど)の『広辞苑』が載せていないのはなんでなんだろうなあ。

その辺はよくわかんないけど、『ランダムハウス英和大辞典』で発見した真実をひいておく。

曰く、もともと「マガジン」とは「倉庫」の意味だったんだそうで。比喩的に「情報の庫」ととらえて雑誌のタイトルとし、それから雑誌をひろく「マガジン」と呼ぶようになったんだそうだ。

まーったく知らなかった。「マガジン」という用語は数え切れないほど使ってきたのになあ。ちょっと(けっこう)恥ずかしい。


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