気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

日国の「カレンダー」はかわいい!

月の「満ちかけ」が好きだ(笑)。「月」は「ふつう」に好きなんだけど、月の「満ちかけ」は「とても」好き。

そんなわけで『月の満ちかけ絵本』なんて本を読んでいる(まだ途中)。 

月の満ちかけ絵本

月の満ちかけ絵本

 

その本に「カレンダー」の語源についての話が書いてあった。

へ〜と思ったんだけど、どうやらこれは少数説であるようだ。

国語辞典じゃなくてなんだけど、『ランダムハウス英和大辞典』の「calendar」の語誌欄をみてみる。

[1200年以前? 中期英語 calender<アングロフランス語<ラテン語 calendarium 会計帳簿〔calendae「月の第一日」(CALENDS;この日に掛け勘定が支払われ,会計帳簿にはその日が示されていた)より〕]

Googleったりしてみると、どうやらこちらが通説である様子。「月が見えたっ!」という叫び声から「カレンダー」という言葉がうまれた、ってのもなかなかかわいくていいけどね。

ところで国語辞典でも「カレンダー」をみてみる。結構そっけないのが多い。

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かんたんすぎる広辞苑の「カレンダー」

上の写真にあるとおり「カレンダー」は「暦。七曜表」と記すのみだ。 『大辞泉』も同じだ。国語辞典は「カレンダー」にけっこう冷たい

そんななかかわいいのが『日本国語大辞典』だ。

カレンダー
({英}calendar )
暦(こよみ)。特に、一年間の月日、曜日、祝祭日などを、日を追って記載したもの。鑑賞用の絵、写真が添えられていることが多い。

観賞用の絵、写真が添えられていることが多い」ってのが「かわいい」。

なお、百科事典系の「カレンダー」は詳しい。『日本大百科全書』の末尾ごく一部をひいておく。

1903年(明治36)に日めくりカレンダーが出現して以来、カレンダーはその機能性、装飾性、宣伝性の三大要素をもとにさまざまに表現され、情報化社会の知的媒体となっており、年末贈答用のほか大量に使用されている。

インターネットビジネスが広告モデルでまわりはじめる前に、カレンダーが時代を先取りしていたんだな。面白い。


月の満ち欠け