飛行機が空港などで地面を走ることを「滑走」という。なぜ「走る」じゃなくて「滑走」なんだろう?
「滑走」の定義は『大辞泉』を引こう。
かっそう【滑走】
[名](スル)
1 すべって進むこと。また、すべるように進むこと。
2 飛行機が、離着陸のときに地上や水上を走ること。
「滑走」とは「すべって進むこと」なわけだ。
飛行機は「滑らない」よなあ。むしろ滑らないように努力している感じだろう。たとえば『日本大百科全書』の「滑走路」には次のようにある(部分引用)。
路面の摩擦係数を高めるため、路面に溝切り(グルービング)を施すことも最近では常識となっている。
意地悪を言えば、「すべって進む」道に「摩擦係数を高める」工夫をしていることになってしまう。
手持ちの国語辞典をいろいろみてみたんだけどよくわからない。
ただ、考えるうちに「滑空」という言葉を思い出した。
「空」を飛ぶときはたいてい「滑るように」飛んでいるよなあ。なぜ「空を飛ぶ」と言わずに「滑空」というんだろう?
そんなことを思いながら国語辞典で「滑空」をみると、もしかするとヒントになることが書いてあった。
やはり『大辞泉』。
かっくう【滑空】
1 航空機のエンジン停止状態や遅い回転状態での飛行、また、グライダーによる飛行にみられる、地表に対してある傾斜で降下する飛行状態。空中滑走。
2 空を滑るように飛行すること。鳥が広げた羽を動かさないで飛ぶことなど。
なるほど。「滑空」とは、空を「滑るように飛ぶ」というか、「羽を動かさないで飛ぶ」とか、「エンジン停止状態」で飛ぶというような意味なんだ。
「滑走」ってのも、もしかすると「飛んできてエンジンを止めて」(ほぼ止めて)走ることとか、あるいは、飛び立つ前にゆっくりと地上を走ることなんて意味合いがあるのかな。
よくわかんないんだけど。自分としては「走る」と「滑走する」の違いを発見したような、良い気持ちになって眠ろうと思う。
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