気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

「ハタチ」と「イソヂ」

「20歳」を「はたち」といい、「50歳」を「いそじ」ということには何の違和感もない。「そういうもんだ」と思っていた。どうやら、このふたつの言葉の「ち」と「じ」は仲間らしい。

発見したのは『新明解』の「いそじ」だ。

いそじ【五十】
〔「ぢ」は「はたち」の「ち」と同源〕
(1)五十。
(2)五十歳

「いそじ」は「いそぢ」だったんだな。そしてその「ぢ」は、はたちの「ち」と一緒だったのだと。

よくわかんないね。

「はたち」を引けばわかるのか? やはり『新明解』からみておくか。

はたち【二十歳】
〔「ち」は、数をかぞえる設備語〕
(1)〔おとなの仲間入りするものとされる〕二十歳。
(2)二十

「はたち」と「いそじ」が仲間だというのは、やっぱりよくわからない。しょうがないので、『日本国語大辞典』で、「いそじ」の「そじ」を引いてみた。

そじ【十路】
数を数えるのに、一〇を単位としていう語。平安時代までは、物の数を数えるのにも広く用いられたが、のちには年齢にのみ限定されるようになった。「みそじ」「よそじ」「いそじ」「むそじ」「ななそじ」「やそじ」「ここのそじ」。

 お? 10単位で数えるのに「そじ」(そぢ)を使ったのだとあるぞ。『大辞泉』には20歳は「ふたそじ」、30歳を「みそじ」などと呼んだと記述がある。

「はたち」というのは「十路」を「ふた」つ重ねたもの。「ふたそじ」が「はたち」と変化したものとの主張もあるらしい。

なるほどなあ。「みそじ」「よそじ」などの単語は知っていたし、もちろん「はたち」も知っていた。でも両者を結びつけて考えることはなかったな。

ぼくも五十路を越えて、少しだけ知恵がついてきたのかも。


二十二才の別れ

数え方図鑑 (身近なモノをなんでも数えてみたくなる!)

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