気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

「ぺろり」。

辞書に「ぺろり」はあるか? ぼくはあるとは思っていなかったけど、実はたいていの辞書に載っている。ほとんどの人が辞書で引かずに一生を終える言葉なんじゃなかろうか?

たとえば『日本国語大辞典』をみてみる。

ぺろり
(多く「と」を伴って用いる)
(1)舌でなめるさまを表わす語。
(2)舌を出すさまを表わす語。多くは、照れた時や相手を揶揄(やゆ)する時のしぐさについていう。
(3)またたく間に食べ尽くしてしまうさまを表わす語。
(4)手で顔などをなでたりぬぐったりするさまを表わす語。

真面目に定義しているね。でも「揶揄する」ときの仕草であるというのはわからないな。ぼくはそんな意味での「ぺろり」に出会ったことがあるかなあ?

なお、『広辞苑』はけっこう怖い。

ぺろり
(1)舌を長く出すさま。また、舌を出してなめるさま。
(2)瞬く間に食べ尽くしてしまうさま。
(3)皮などが垂れ下がるほど広くむけたりはがれたりするさま。

(3)はやめてほしいんだよな。ぼくの世代は日本全国で「はだしのゲン」が推奨されていた時代。読まないやつは「意識低すぎ」と評価される時代だった。ぼくも読んだんだけど、しばらく夢は蛆虫とか「ペロリ」とした皮膚の夢ばかりだった。

ただ、この(3)の「皮などが垂れ下がるほど広くむけたりはがれたりするさま」ってのが『日本国語大辞典』にないのはちょっと不思議な感じ。もしかしてPTSD配慮?

『新明解』も「ぺろり」を立項するけれど、(3)の意味はないな。するとあれかな。立場的にはだしのゲン」推奨派であるはず(個人的思い込みだけど^^)の、岩波だから(3)を載せたのかな(笑)。

ま、『三省堂国語辞典』も「ぺろりと」の項で(3)風の意味を載せているから、これはぼくのミスリードなんだけどね。

「ああ、ぺろりね。おれ、ちょっと気になったんで辞書を引いてみたことがあるよ」って人、どれくらいいるのかな…。

話は全くかわるけど。ぼくは爆風スランプが「女の道」(「ぺろり」が出てくる)なんかを歌っている頃は結構好きだった。アルバムは9作目くらいまでみんな持ってるし、みんな歌える。そのあとはな〜んも知らないんだけどね。

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