気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

「ルンペン」はドイツ語だよ。 

ぼくの世代のちょっと前まで、「なんでもドイツ語」が世の風潮だったみたいだ。ぼくはその時代を生きていないからよくわからないけれど、でもたとえば「シャンなメッチェン」とかって言い回しが市民権を得ていたのなら、やはりドイツ語が流行ってたってことなんだろう。

そういうことを知識としては知っているぼくが「帰ってきたヒトラー」を見て気になったのが「ルンペン」って言葉だった。

話のつながりがみえないと思うんだけど、要するに「帰ってきたヒトラー」(小説はすばらしい。映画は…普通とクソのクソよりのフツー)という映画の中に「ルンペン」という語が登場したのだった。

ヒトラーが、あまりにみごとな発音で「ルンペン」というのをきいて、「さてはこいつもドイツ語なのか!」と気づいた次第。

そんなことが気になれば、当然国語辞典を引く。『日本国語大辞典』かな、最初にみるのは。

ルンペン
({ドイツ}Lumpen ぼろ・古着の意)《ルムペン》
(1)ぼろを着て町をうろつく、収入の定まらない者。また、浮浪者。
(2)「ルンペンプロレタリアート」の略。

資本論』をドイツ語で読んだこともあるぼくは、どこかで「ルンペン」がドイツ語であることを学んだはずだ。でもすっかり忘れていたな。

日本国語大辞典を引いておく。

ルンペン({ドイツ}Lumpen ぼろ・古着の意)《ルムペン》

(1)ぼろを着て町をうろつく、収入の定まらない者。また、浮浪者。
(2)「ルンペンプロレタリアート」の略。

「へ〜」と思ったんだけど。読んでくれているひとのうち75%くらいは「ルンペン」という言葉に出会ったことがないかもしれないなあ…。ぼく(1966年生まれ)の時代には、「ルンペン」ってのがごくごくふつうの用語ではあった。

そんな記憶を残すために、本記事を残しておく。

あ、ちなみに、小説の方は「愛とはこういうことなのか」と感じさせてくれる名作。おすすめだよ。映画はどーでもいーけどね。


『帰ってきたヒトラー』TVCM15秒 超問題アリ編

帰ってきたヒトラー 上 (河出文庫 ウ 7-1)

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