「悪夢」ってなんですか。ぼくは単に「見たくない、いやな夢」の意味で使っていた。『新明解』を見ていてちょっと驚いた。
あくむ【悪夢】
凶と判断される夢。「悪夢を見る〔=(a)不吉な夢を見る (b)悪魔に魅入られたとしか言いようの無いあってはならない所業を実際に見聞きしたり、一時行ったりする」(以下略)
「凶と判断される」で始まるのにひっかかった。
どういう意味かというと。すなわち「悪夢」とは一般的な用語ではなく、ある種の「テクニカル・ターム」であったようなのだ。
『日本国語大辞典』にもそう書いてあるよ。
あくむ 【悪夢】
(1)いやな夢。恐ろしい夢。縁起の悪い夢。特に、夢占いにより凶とされる夢。↔吉夢。
(2)(比喩的に)現実のこととは思われないような、いやなことや恐ろしいこと。
「夢占いにより凶とされる夢」のことなんだな。
きっと本来は、単なる「嫌な夢」を「悪夢」と呼ぶことは間違いだったんじゃないのかな。
『広辞苑』も、ややぼかし気味ながら、言葉の由緒正しさを示しているような気がする。
あくむ【悪夢】
恐ろしい夢。縁起のわるい夢。また、夢でしか起こりえないような恐ろしい現実にたとえてもいう。
「縁起」が大事なんだ。
主に現代の言葉をわかりやすく伝えようとする『三省堂国語辞典』にも、ちょっとひっかかりがある様子。
あくむ【悪夢】
(えんぎの)悪いゆめ。
やはり「えんぎ」が大事なんだな。
多くの辞書のこのこだわりは、やっぱり「悪夢」が「テクニカル・ターム」であることを示していると思う。
もちろん「夢占いで縁起が悪いとされる夢」には興味津々だ。どういう夢が悪いとされるのだろうとGoogleってみた。だけど、どうもアヤシゲなページが数多くヒットして、なかなかわかりやすく説明してくれるページには出会えない感じ。
ま、なんだ。フロイトもすっかり「過去のもの」となりつつある昨今。「夢占い」とか「夢判断」なんて言葉も消えていくのかもしれないね。すると「悪夢」はいつしか単なる「悪い夢」と、こだわりなく使えるようになるのかもしれない。
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