気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

パン以外でも端っこは「耳」

英和辞典をみていると、「selvage」という語に出会った。不勉強ながら、この語を使ったことはない。

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これ「織物の耳」という意味なんだそうだ。

情けないことに、ぼくの言語感覚に「織物の耳」という表現がない。人がそういう表現を使えば理解できるけど、自分でそういう意味で「耳」を使わない。

ぼくは「端」とか「縁」の意味で「耳」を使うのは、食パンと、それから「耳を揃えて返す」ってな表現くらいかな。

「織物の耳」がどれくらい一般的なんだと辞書を引いてみる。するとぼくの言語感覚がとてもおかしい(というか、レベルが低い)ことを思い知らされる。

三省堂国語辞典』の4番目の語釈に次のようにある。

みみ【耳】
(略)
(4)紙や布地など平たいもののはし(を切りおとした部分)。

布の端も「耳」って言うんだね、ってのがぼくの驚きだったんだけど、まさにピンポイントで布の端も「耳」ですと書いてある。

他の辞書も布の端も「耳」だよと、ぼくを非難する。『広辞苑』をみる。

みみ【耳】
(略)
(6)織物・紙類または食パンなどの縁、またその縁の厚くなったところ。

普通は布とか紙とかの縁のことなんだけど、パンの縁も呼びたければ「耳」と呼んでもいいよ、みたいな感じ。

ぼくの言語感覚はどこで歪んでしまったのだろうなあ。でも自分で使わないだけじゃなく、他の人が「この布の耳がね」って言うのも聞いたことはない気がするけどなあ。

類友で、ぼくのまわりには無教養の人ばかりいるってことなのかも…


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