気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

「グレー・カラー」は灰色の服?

いつか聞いたような気もするけど、忘れているな。「グレー・カラー」という語を国語辞典で見つけて驚いた。

見つけたのは『明鏡』だ。

グレー・カラー【gray-collar】
オートメーション機器の保守・整備など、技術系の仕事に従事する労働者。ホワイトカラーとブルーカラーの中間に位置する。

なんだかちょっと揶揄的なニュアンスを感じて、日本独自の言葉なのかと思った。

 だけど『ランダムハウス英和大辞典』にちゃんと載っているな(但し、OALDやLDOCEにはないみたいだ)。

gráy-còllar
adj. *1 グレーカラーの,修理・整備などの技術サービスをする労働者の.

語源としては、ホワイトカラーおよびブルーカラーからの類推による、と書いてある。まあ『明鏡』なんかも同じ立場か。『日本国語大辞典』なんかも同じような立場だ。

しかし。たとえば広辞苑』が語源について異を唱えているのが面白いな。

広辞苑』は次のような感じ。

グレー・カラー【grey collar】
(灰色の作業服を着ることから)修理・整備など技術関係の労働者。

「グレー・カラー」の「グレー」を本当の色だと主張しているのは、ちょっとみたところ『広辞苑』だけみたいな感じだな。

そういえば、『現代用語の基礎知識』も興味深い。「グレー・カラー」に含まれる職業が他のものと違っている

グレー・カラー
gray collar
ホワイトカラーとブルーカラーに分類できない業務に従事する労働者。営業職、販売職等。

 反論がありそうだな。参考までに『日本国語大辞典』の「ホワイトカラー」を引いておこう。

ホワイト‐カラー
({英}white collar 白いえりのワイシャツを着ているところから)
雇用されている従業員のうち、技術的な仕事や事務、営業、販売などの仕事にたずさわる者。ブルーカラーに対していう。

この定義であれば「グレー・カラー」なんて語は必要なくなりそうだけど、しかし先に書いたように『日本国語大辞典』にも「グレー・カラー」はある。

たぶん「グレー・カラー」なんて言葉はそれほど使われない語であるということなんだとは思うけれど。

ところで「山谷ブルース」って、たくさんの人がカバーしてるんですね。下はダウンタウンブギウギバンド。個人的には軽さが気に入らないけれど、それがダウンタウンの主張なんだろう。


ダウン・タウン・ブギウギ・バンド『山谷ブルース』

 

*1: