ぼくらの年齢の人はたぶん、「いなせ」という言葉を目にすると「いーなーせだねーなつをつれてきたひと〜♪」と歌うんじゃないのかな。
その「いなせ」。ぼくは漢字で書けないな。どのくらいの人が書けるだろう?
「鯔背」と書くのだそうだけれど、ぼくは「鯔」の字を使ったことすらないな…。
意味はなんだろう? 『日本国語大辞典』を見る。
いな‐せ 【鯔背】
(1)(形動)勇み肌でいきな若者。また、その様子。威勢がよくさっぱりした気風の若者。また、その気風。
(2)「いなせあしだ(鯔背足駄)」の略。
よくわかんないけどね。まあ「格好良い若者」みたいな意味なんだろう。
「語源」欄もほとんどわからないな。
(1)新吉原に勇み肌で美声の地回りがいて、その男がうたって歩いた小唄の文句、「いなせとも、なきその心から、帰らしゃんせと、ほれた情」から、粋なことをイナセといった〔大言海〕。このイナスは帰す意で、もとは上方言葉か〔江戸生活事典=三田村鳶魚〕。
(2)江戸日本橋の魚河岸の若者たちがイナ(鯔)の背のように髷を結んだことから〔江戸東京風俗語事典=三好一光〕。
「語誌」欄も「実はよくわかんないんだけどね」と記している。
語源に諸説あるが、未詳。江戸下町の若者の気風を表わす「いさみ(勇)」「きゃん(侠)」などの類語があるが、「随筆・守貞漫稿‐二七」の記述から気風だけではなく、物品・人品についてもいい、必ずしもプラス評価だけではない意味合いを持つ。
とりあえず「いなせ」と「きゃん」が類語らしいことだけわかったよ。
もっとわかりやすい説明はないのかなと思ったところ、『広辞苑』がわりとわかりやすい。
いなせ【鯔背】
(一説に、江戸日本橋魚河岸の若者が髪を「鯔背銀杏(いなせいちょう)」に結っていたところから)粋で、いさみはだの若者。また、その容姿や気風。
「一説に」ということで、他の説を捨て去って、わかりやすい定義をしてみたんだな。
なお、「鯔」とは、「ボラの幼魚」という意味なんだそうだよ。
いな 【鯔】
ボラの幼魚の名。《季・秋》
「いなせ」の語源になったという説もある「鯔背銀杏」は「鯔の背に似た形のまげ」なんだそうだけどね。
いなせ‐いちょう[‥イチャウ] 【鯔背銀杏】
江戸後期、江戸日本橋の魚河岸の若者たちの結った髷(まげ)。その形が鯔の背に似ていたところからといわれる。寛政(一七八九~一八〇一)頃から一般にも流行した。
Googleで画像検索すると絵が出てくるんだけど、どこがどんなふうにボラに似てるのか全くわからないね^^。昔の人はいろんなことを知っていたんだ(^^)。
鰡(ぼら)のさばき方 - How to filet Flathead Gray Mullet -|日本さばけるプロジェクト