気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

シャム猫とシャム双生児

シャム猫」は「Siamese cat」で「シャム双生児」は「Siamese twins」。どっちも同じ言葉なんだな。なぜだ?

というか、今は「シャム双生児」という言葉も昔ほどメジャーじゃないかな?

シャム双生児」ってのは「(一般に)身体の接合した双生児,二重体児」(ランダムハウス英和大辞典)のことだ。

 それはおいといて。

シャム猫」ってのは、まあ「シャム」の猫なんだろう。

ね。「シャム」の猫だ。ちなみに「シャム猫」を漢字で書くと「暹羅猫」。書けないし読めないな^^。

で。「シャム猫」が「シャム」の猫なのはいい。想像通りだ。でも「シャム」で「シャム双生児」がたくさん生まれるということもなかろうと思うんだけど、どうなんだろう?

『日本国語辞典』から引く。

シャム‐そうせいじ[‥サウセイジ] 【暹羅双生児】
対称的体部で結合した連身の一卵性双生児。シャム(タイ)で生まれた胸部結合のチャン=エン(Chang-Eng )兄弟(一八一一~七四)が有名で、一般的な名称となった。シャムの双子(ふたご)。

夢の浮橋〔1970〕〈倉橋由美子〉五月闇「何かぼくたちのシャム双生児のつながりを切断する刃物がなくてはね」

倉橋由美子三部作は大好きだったもので、用例まで引いた(^^))。

なるほど。「シャム双生児」として有名になった兄弟が、シャム出身だったのだな。聞いてみれば当たり前の話だ。

ちなみに「シャム双生児」は「結合双生児」と呼ぶのだそうだ。「シャム双生児」という呼び方が「インコレクト」なのかどうかは知らない(ちょっと使いたくない言葉ではある)。