『新明解』の第三版を眺めていた。目についたのは「ちょこなんと」。第三版を引く。
ちょこなんと
回りから離れて、小さなそのものだけが、じっとかしこまっている様子。ちょこんと。
違和感を感じないだろうか? 文章が変(「小さなそのものだけが」とかひどいよね^^)なのは良いとして、「ちょこなんと」するのは「小さな」ものだけしかできないのか?
ぼくは、この語釈は間違っていると思う(あとで他の辞書を引く)。まあしかし。第三版は「ネラッタ」版だという話もある。最新版がどう記しているのかみてみよう。
ちょこなんと
小さな人や犬猫などが、いかにももっともらしくそこでじっとしている様子。
文のひどさがそのまま(いかにももっともらしくそこでじっとしている、ってわかる?)なのは追求しないとして。でも『新明解』的に、「ちょこなん」とできるのは「小さな存在」のみであるというのが変わらない。
ぼくは「ゴジラ」でも、「ちょこなん」とできると思うんだよな。他の辞書をみてみよう。
たとえば『広辞苑』はこうだ。
ちょこなん
小さくじっっとかしこまっているさま。ちょこん。「小僧が―とすわっている」。
「小僧」の大きさに言及していないところに注目してほしい。いつもに比して小さくなっていれば、それは「ちょこなん」である場合があると思うのだ。
『日本国語大辞典』は次のような感じ。
ちょこなん‐と
やや離れた所に小さくかしこまっているさまを表わす語。ちょこりんと。
そう。ちょこなんとの「ちょこ」は、物理的な様子を絶対評価で示す基準ではないと思うのだ。『三省堂国語辞典』は、そこをずっと勘違いしているんじゃないのか。
「辞書によっちゃいろいろあるよね」の範囲を超えた「誤釈」だと思うんだけど、どうだろう。
注意され子供のように反省する猫 絨毯めくってバリバリ爪とぎ♥♥猫との会話を楽しむ動画 Conversation with a cat