気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

「出土品」の反対語は「伝世品」

使っているIMEで、「でんせい」と入力して「伝世」が出るだろうか? ちなみにぼくのubuntu標準のIMEでは出ない(ちなみに「でんせい」に似ている「デシンセイ」も一発変換してくれない^^)。

伝世」とはなんだ?

この言葉が記されているのは宮内庁の正倉院ページだ。

宝物が出土品ではなく,伝世品であるという点です。古代の遺品といえば,多くは地中から発掘されたものですが,正倉院宝物は出土品ではなく,木造の宝庫に納められて,千二百年余にわたって伝世してきたものです。従って保存状態も良好で,伝世品としての品格と美しさを保持していることは,誰もが感嘆するところです。

なるほどな。「遺品」には「出土品」と「伝世品」の二種類が(もっとあるのかも?)あるんだな。

正倉院に収められているのが(さまざまなコピーを含めて)「伝えられてきた」ものであることは知っていたけれど、そういったものを指す言葉があるのは知らなかった。

国語辞典も「伝世品」をわかりやすく定義しているね。

たとえば『日本国語大辞典』はこんな感じ。

でんせい‐ひん 【伝世品】
古くから世に愛玩されて伝えられてきたもの。主に美術品などをさす。↔出土品。

伝世品」は「出土品」の対義語であるらしい。「出土品」なんて言葉はたぶん誰でも知ってるけれど、その反対語は50歳を超える今まで知らなかったなあ…。

宮内庁、グッドジョブ!

読んでくださった方から、「伝世」されていたものが埋もれて「出土」することもあるのだというご指摘も頂いた。ほう、なるほどな…。


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正倉院 (岩波新書)

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  • 作者:東野 治之
  • 発売日: 1988/10/20
  • メディア: 新書