気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

「やさき」の使い方

NHKのニュースでは、一般人が言葉の間違った使い方をすると、字幕で修正することも多い。

今回、修正されていなかったけれど、ちょっとおかしな感じのする言葉に出会った。

広辞苑をみると次のようにある。

やさき【矢先】
(1)矢の先端。
(2)矢が飛んでくる前面。やおもて。
(3)ねらうめあて。ねらい。
(4)事のまさに始まろうとするとき、またはその直後。とたん。

ニュースに出てきたのはもちろん(4)の用法だ。そしてこの用法は、いろいろな辞書をみても「始まろうとするとき」とか「とたん」というニュアンスが記されている。

一方、ニュース内での発言は「今まで順調に ことしもいいのではと思っていたやさきに豪雨で大変な状況」となっている。

今まで順調に」がどこにかかるのかとか、そういう話はいい。でもきっと、「ことしもいいのでは」と思ったのは豪雨の直前じゃないよね。

この文脈ならば、「ことしもいいのではと思っていたところが、豪雨で大変な状況」といった感じかな。 


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