気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

「教書」ってなに?

海外からのニュースではしばしば「教書」って言葉が出てくる。耳慣れた言葉だけど、「教書」ってなんだっけ?

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これだけ一般的な言葉をよく知らないのは恥ずかしいなあ。ってことで、そーっと国語辞典を引いてみた。

でもよくわからないんだよ。たとえば大辞泉では次のように定義されている。

きょう‐しょ〔ケウ‐〕【教書】
ローマカトリック教会で、教皇・司教が信徒を教導するため公式に発する布告・書簡。
2 米国で、大統領や州知事連邦議会または州議会に出す政治上の意見書。メッセージ。「一般―」「予算―」
3 英国で、国王から議会へ、また議会の一院から他の一院へ発する文書。
4 教科書のこと。

上に引いたニュースだと、教書に触れるのはプーチンだ。プーチン教皇でも司教でもない。米国大統領でもない。英国王でもない。つまり、プーチンの発する「教書」は、少なくとも大辞泉には定義されていない。

困ったなあと思っていると、意外にも小型辞典にわかりやすい定義があった。下に引くのは岩波国語辞典(第八版)。

きょうしょ【教書】
(1)権力・権威のある者が発する文書。
(2)教科書のこと。

なるほど、教書を発するのに、教皇であったり、国王であったりする必要はないんだな。「偉い」人物が発すれば「教書」なわけだ。プーチンは確かに「偉い」しな。

でも思ったよ。「偉い」が基準なら「社長教書」ってのもありそうじゃん? でもぼくは「社長の発した教書」ってな表現に出会ったことがない気がするなあ。

こういうときは、「教書」にあたる英語を見ればわかることも多い。ところが手持ちの和英辞典を見ると「教書=message」となっている。これじゃなんにもわからんな。

「教書」とはいったい何で、また、なぜ日本語で「教書」というのか。優しく教えてくれる方、募集しています。


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