「案山子」というものはよく見るし、雪景色を見るとつい「元気でいるか。街には慣れたか」などと歌い出してしまう。しかし「案山子(かかし)」はなぜ「かかし」と言うんだろう?
- 作者: ロバートウェストール,Robert Westall,金原瑞人
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2003/01
- メディア: 単行本
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『三省堂国語辞典』を見てもよくわからない。
かかし[案山子]
(名)
(1)田や畑に立てて鳥をおどす人形。
(2)見かけだけは一人前のこと。
「見かけだけは一人前」が面白いけれど、なぜカカシなのかはわからない。英語の「scare crow」なら「カラス脅し」とすぐわかるけれど、「カカシ」はいったいなんなんだ。
そんな疑問はメジャーな辞書である『広辞苑』をみればあっという間に解決する(ぼくはこれまで「カカシ」を辞書で引いたことがなかったんだな…)。
かかし【案山子・鹿驚】
(カガシとも。「嗅がし」の意か)
(1) 獣肉などを焼いて串に貫き、田畑に刺し、その臭をかがせて鳥獣を退散させたもの。焼串。焼釣。
(2) 竹や藁などで人の形を造り、田畑に立てて、鳥獣が寄るのをおどし防ぐもの。とりおどし。
(3) みかけばかりもっともらしくて役に立たない人。みかけだおし。
なるほど。『日本国語大辞典』も同様のことを記す。
かかし 【案山子・鹿驚】
〔名〕
(「かがし」とも)
(1)(においをかがせるものの意の「嗅(かが)し」から)田畑が鳥獣に荒らされるのを防ぐため、それらの嫌うにおいを出して近付けないようにしたもの。獣の肉を焼いて串に刺したり、毛髪、ぼろ布などを焼いたものを竹に下げたりして田畑に置く。おどし。
(2)((1)から転じて)竹やわらで作った等身大、または、それより少し小さい人形。弓矢を持たせたり、蓑(みの)や笠をかぶせたりして田畑などに立てて人がいるように見せかけ、作物を荒らす鳥や獣を防ぐもの。かがせ。そおず。かかし法師。《季・秋
(3)見かけばかりで、地位に相当した働きをしない人。つまらない人間。見かけだおし。
先にも書いた通り、「かかし」という言葉を辞書でひいてみたことがなかったみたいだ。「かかし」なんて変な音をきけば不思議に思うはずなのに不思議なことだな。幼少の頃、あまりに身近に「かかし」が存在していたからなのかな。
文学作品的には「かかし」といえば『オズの魔法使い』かな。怖さで言うならロバート・ウェストールかな。でも伊坂幸太郎の『オーデュポンの祈り』に登場する案山子もなかなか魅力的だ。
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