長いこと日本人をやっているので「蒔絵」って言葉はもちろん知っている。「ああ、あんな感じのものね」って感覚もある。でも、正確にはよくわかってないよな^^
下の記事に、輪島塗には「バイデン夫妻のファーストネームが蒔絵の技法で刻まれています」とある。
「蒔絵」の正確なところ、知ってないとちょっと恥ずかしいよなあと、辞書を見る。
漆工芸の技法の一つ。漆で文様を描き、乾かないうちに金銀粉や色粉などを蒔きつけて付着させ、文様を表わすもの。(日本国語大辞典・抄)
「へ〜」って思ったりするものの、実は「蒔きつける」なんて言葉とも初対面だったりする(笑)。「蒔きつける」ってなんだ?
この言葉は辞書にないかもしれないなあなんて思いつつみれば、ちゃんと立項されているな。
「やれ安心」と、日本国語大辞典の該当項目を見る。いわく、
作物の種をまく。
いや、それ、「蒔絵」の「蒔きつける」とは関係ないでしょ(笑)。
しょうがないので国語辞典による理解を諦めて、ニッポニカを見る。
蒔絵
漆工芸の加飾の一技法。漆で文様を描き、乾かぬうちに金属粉(金、銀、錫など)や顔料の粉(色粉)を蒔き、固着させて造形する技法、および作品をいう。
ああ、なるほど。顔料の粉を「蒔く」ことから、「蒔絵」というんだ。そりゃそうだな、と思う。これまで「蒔絵とはなにか」を意識してこなかった自分を恥じる。でも。実は、結構多くの人が「蒔絵」とは何かを説明できないんじゃないかと思っていたりするよ(負け惜しみ?)。