気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

2013-06-01から1ヶ月間の記事一覧

関西時代に覚えた「かしわ」と「豚まん」と「ミンチ」

東京に出てて(何年も前の話だ)、何かの本で「関西では鶏肉をカシワと呼ぶ」という記述をみた。「東京では言わないのか」と驚いたものだった。 中学・高校と大阪ですごしたぼくは、確かに「鶏肉」を「かしわ」と呼んでいた。また「肉まん」は「豚まん」と呼…

ちょっと前の「竹の子族」と、ずいぶん前の「竹の子生活」

「竹の子族」を立項している国語辞典がほとんどないことに驚いた。 手元の辞書で立項していたのは『デジタル大辞泉』のみ(紙の第二版にはなし)。 昭和55年(1980)ごろより、東京都渋谷区原宿の歩行者天国で、派手な衣装を身につけ、音楽に合わせて踊った…

「膝栗毛」の語釈がちょっと笑えるよ。

「膝栗毛」。これもまず思い出すのは『東海道中膝栗毛』の固有名詞だろうけれど、実は一般名詞。なかなか笑えるというか、かわいい語釈があるので記録しておこう。 東海道中膝栗毛 上 (岩波文庫 黄 227-1)作者: 十返舎一九,麻生磯次出版社/メーカー: 岩波書…

「多情仏心」は一般名詞だそうだが、どう使えば良いのだ?

ずっと里見弴の小説ないしはさだまさしの歌のタイトルかと思っていた。 多情仏心 (前篇) (岩波文庫)作者: 里見トン出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1940/10/26メディア: 文庫この商品を含むブログを見る ところがこれ、なんと一般名詞なんだそうだ(但し、…

「こぶらがえり」とは先祖がえりの一種。な、わけはない。

一昨年に心臓の病気で入院した際、とにかく水分を排出するというのが第一の治療だった。 そのせいかどうか、入院一日目の深夜、身体のあちこちが痙攣してしまった。ふくらはぎの痙攣も相当に痛かったな。 このふくらはぎの痙攣、一般には「こむらがえり」と…

「とどのつまり」に感じてしまう「人生」

「とどのつまり」。いきなりだけど『広辞苑』第六版をみてみる。 途中にいろいろあったが、つまるところ。結局。とど。▷多く、結果が思わしくない場合に使う。 そう。「つまり」は何かを「説明」する「つまり」ではなく「詰まり」なんだろうな。例文は『プロ…

「絶対多数」ってなんだったっけ?

一瞬「絶対多数」という言葉の意味がよくわからなくなった。原因は(ぼくの無知と)『大辞林』第二版だ(笑)。 議決などにおいて圧倒的多数であること。「与党が―を占める」 これが「絶対多数」の意味なのだという。 「絶対」を「圧倒的」に言い換えただけ…

中型辞書の「民本主義」が面白い

昨日、久しぶりに「民本主義」の語を目にした。「民主主義」と言えない事情があったりしたようだったね、と辞書を引いてみた。 例えば『大辞泉』第二版。 大正時代、吉野作造が主唱した民主主義思想。主権在民を内包する民主主義とは区別し、政治の目的は民…

「きんつば」は正確に「金鍔焼き」と呼びましょう

和菓子が好きなんだ。 # 「最中」についてはこちら # 「和菓子の日」についてはこちら 一元屋のきんつば、外箱。 pic.twitter.com/s5KGhpEDqQ — maeda hiroaki (@torisan3500) June 22, 2013 「キンツバ」ってのが「刀の鍔に似せた」ものであることは有名な…

馴染みすぎて、意味をきちんと考えない言葉(追記あり)

あくまでも個人的な話だ。あらゆる表現が気になってしかたないという人もいるだろう。 ただ、ぼくはなかなかのイーカゲンだ。改めて気付かされたのは「土俵」。 # 相撲についての記事も以前書いた。「相撲 ― はだかでまわしをつけるプレイ!」 土俵を辞書で…

考えてみるとちょっと怖い「弱り目にたたり目」

「たたり目」。漢字にすると「祟り目」。よく目にする漢字だけど、書くことは少ないような気がする。 それもあってか「祟り目」の「意味」をあまりちゃんと考えることがない。 『大辞泉』第二版から引いてみよう。 たたりにあうとき。災難をこうむるとき。「…

国語辞典で見る豚肉・牛肉

『明鏡』をめくっていると「豚肉」に出会った。 結構かわいい。 明鏡の豚肉 pic.twitter.com/I6mfIjbh6x — maeda hiroaki (@torisan3500) June 20, 2013 他の辞書にもあるのかなと思ったらやっぱりあった。 こちらは『大辞林』第二版の豚肉。 大辞林の豚肉 p…

「長押」の意味は理解した「つもり」

落語に「長押」(なげし)という言葉がよく出てくる。「だくだく」とか「野ざらし」など。 # 「野ざらし」については以前記事を書きました 「長押にかけた槍」というんだから、「長押」ってのは「アレ」のことだろうと思いつつ辞書を引いてみる。 まずは『明…

ぼくにもわかった「九牛」の意味

辞書をめくっていて「九牛」という言葉に出会った。 不勉強なぼくはこの言葉を知らなかった。もし聞いたことがないねという人がいれば、ぜひとも意味を想像してみて欲しい。「そんなもんわかんねえよ」と言わずに、ぜひとも素直な心で考えて欲しい。 座れる…

上目づかいと三白眼

『明鏡』を眺めていると、「おや」と思うことが多いように思う。今回は「上目遣い」。「上目」の中の子項目として立てられている。 顔を動かさずに、目だけを動かして上を見る目つき。▼人に対するときは悪い感じを与えるものとされる。「―遣(づか)いに人の顔…

なぜか「反歌」の意味を知らずにこれまで生きてきた。

日本の古代史をお勉強しようシリーズで、『日本の歴史2 飛鳥・奈良時代』(岩波ジュニア新書)などを読んでる。 ちょっと軽い本ばかりかもしれないけれど、全く無知なのでこの辺りから > 日本古代史関連 #歴史 pic.twitter.com/OHvrhz9Z7K — maeda hiroaki …

自分が信じることこそ「愛」の真髄 ~ 和菓子の日に寄せて

「もなか」については以前書いた。ところで今日は和菓子の日なんだそうだ。 総務省統計局のページにもある通り、本日は『和菓子の日』。近所の和菓子屋はしまってるなあ… #何の日 #和菓子 / “6月16日 和菓子の日|なるほど統計学園” http://t.co/rb91vVUW4l …

「片腹痛い」が誤字当て字からはじまったのは良いとして。

「もともとは『傍ら痛し』であった」なんてことがいろんな辞書に書いてある。 それはそれとして『明鏡』だよな。 実力もないのに思い上がっている相手の態度がこっけいで、ばかばかしく感じる。ちゃんちゃらおかしい。笑止千万だ。「あれで真打ちとは―」 例…

「しゃちほこ」は「かいじゅう」なのだ

「しゃちほこ」ってのをあまり真剣に考えたことはない。お城の上にあるお魚さんね、ってなくらいだ。電子辞書を見ればこんな感じ。 言葉が気に入ったから、語釈は『明鏡』から引いてみる。 想像上の海獣。魚形だが頭は虎(とら)に似、背には鋭いとげがあって…

「その日」なんの日?

『明鏡』を眺めていると「その日」という項目があった。 (1)ある事が行われた日。また、ある事が行われる日。その当日。「―はひどく暑かった」 (2)さしあたっての今日。今日現在。「―の暮らしにも事欠く」 「さしあたっての今日」という言い方が面白いけれど…

「ノーマン」は存在するのか

こんな単語知らないよねえ、と投稿してみた。「ノーマン」という単語。項立てされていたのは『新明解』第七版。 「ノーマン 〔no man〕上役に向かって反対意見が言える人 ⇒ イエス マン」 via 『新明解』第七版。う~む。見たことも聞いたこともない単語だな…

「ちんちん」とは、ある単語の略であるらしいですよ。

たぶん多くの人は知っている言葉で、「よく知らない」なんて言うと笑われるんじゃないかと思う。 その言葉とは「ちんちんかもかも」。 優しさの伝わるぬいぐるみ カモ(M)出版社/メーカー: Milionメディア: おもちゃ&ホビーこの商品を含むブログを見る な…

「じょうさま」とは何だ? お嬢様の非丁寧語?

短くいってみよう。「じょうさま」。 【上様】勘定書・領収書などで、受取人の名前代わりに使う敬称。〔「うえさま」は、本来俗用であるが、口頭語としてはかなり一般化している〕 上に引いたのは『新明解』第七版。 コクヨS&T 複写領収書 紙幣判ヨコ型5…

「笑止」は当て字だが、15世紀からの歴史と伝統のある当て字である

いつ覚えたんだろう。気がつけば「笑止」という言葉は普通に受け入れている。 たまに由来を考えようと思うことはあっても、まあ「笑いも凍りついちゃうぜ」くらいの意味かななんて思って詳しく調べることはしなかった。 笑止Tシャッツ ラグランTシャツ(ホワ…

福神漬の誕生(更新有り)

『カレーライスの誕生』という本を読んでいたら福神漬の話が出てきた。 カレーライスの誕生 (講談社学術文庫)作者: 小菅桂子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2013/03/12メディア: 文庫 クリック: 3回この商品を含むブログ (4件) を見る まあカレーに福神漬と…

トートバッグを世に生み出したのはL.L. Beanなんだって。

山に登ろうと思ってた(自転車)んだけど、夜半の雨。ふてくされた今日は読書の日。で、なぜだか2003年版の『現代用語の基礎知識』なんかを引っ張りだしてた。 現代用語の基礎知識 2013作者: 「現代用語の基礎知識」編集部出版社/メーカー: 自由国民社発売日…

「大仏」は4.8m以上のものを言うがその理由は…

Amazonのレコメンドには「なんじゃそれ」というものも多いけれど、「そこを突かれてはたまらない」ってのも結構ある。 今日送られてきたメールでのレコメンドは「週刊仏教を歩く」。「週刊」だってのがまずまいるね。 仏教を歩く No17 行基と「東大寺」 (週…

ぼくらは三角巾を持って学校に行ったね。

ふと昔を思い出して、『新明解』第七版で「三角巾」をチェックしてみた。 一平方ヤールのカナキンを二つに折って三角にした、包帯用の布。 まいったなあ。「カナキン」とか「平方ヤール」とかわかんねえし。思い出したかったのは給食当番の三角巾だ。 三角巾…

本日の幸せは「ミニぶた」!

なんでもないことに幸せを感じて、皆に「幸せの沸点が低すぎる」なんて言われる。まあ、本人が幸せになるならそれで良いじゃないか(笑)。 本日の幸せはこれ。 辞書読み本日のお気に入り。「ミニブタ」 via 『大辞林』第二版 twitter.com/torisan3500/st… —…

アシカはトドの子?

すてきな表情のトドに出会った。6月2日の上野動物園だ。 『世界大百科事典』改訂新版には少々かわいそうな表記もある。 アシカ科の仲間では最大。漁業に与える被害が大きいので漁業者からきらわれる存在。 トドのせいというわけばかりでもないのになあ。 し…