一昨年に心臓の病気で入院した際、とにかく水分を排出するというのが第一の治療だった。
そのせいかどうか、入院一日目の深夜、身体のあちこちが痙攣してしまった。ふくらはぎの痙攣も相当に痛かったな。
このふくらはぎの痙攣、一般には「こむらがえり」という。
腓の筋肉がにわかに痙攣(けいれん)を起こすこと。
『広辞苑』第六版の定義だ。
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昔、この「こむらがえり」を「こぶらがえり」という奴がいた。馬鹿にした記憶はないだろうか。
「こぶらじゃねーよ。こむらだっつーの」。
なんだかふくらはぎの形状から、蛇の「こぶら」と関連付けてしまった、なんだか恥ずかしい間違いのように感じていた。「こぶらに返るのかよ。先祖がえりかっつーの」。
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しかしどうやら「こぶらがえり」でも正しいそうなのだ。『精選版日本国語辞典』から引く。
激しい痛みを伴う局所性の痙攣(けいれん)。もっとも多くみられるのがふくらはぎの腓腹筋(ひふくきん)の痙攣で、一般にはこれをさす。痙直。からすなめり。こぶらがえり。
ふくらはぎじゃなくても言うのか? 「こむら」が脛の後ろ側を言う言葉らしいから、ふくらはぎについてのみ言うのだと思うんだけど、どうもよくわからない。ともかく「こぶらがえり」とは言うらしい。
似たような話で言うと、「老舗」を「ろうほ」と呼んでも良いというのも長く知らずにいた。
「おまえ、恥ずかしいな」と言いつつ、実は自分の方が恥ずかしい。そういうときに、恥ずかしさは倍加する。